「捨てられない」から生まれた超ミニ雑巾

不要になった「布もの」全般を廃棄するのが苦手です。

他の多様な可燃ゴミを集めた袋に、肌に直接あるいは間接的に触れていた布もの、身体を包み込んでいてくれた、自分に限りなく近い存在をゴミとして放り込むなんてできません。

では、新しいゴミ袋に布ものだけ詰め込むのはどうか。それも、布ものをゴミとして処分していることに他ならないので心が痛みます。

とはいえ布ものは繰り返し使っていると、破れたり穴が空いたり毛羽立ったりほつれたりと……どうしても傷んでいくもの。

だからいずれお別れはやってくるし、あらゆる物事に永遠がないのと同様、布ものにも永遠はありません。いつかはさよならするのです。

では、どうやって彼らとバイバイするのか。布ものの中でもよそ行きの衣類が不要になったときは、友人や知人、実家などに送り、欲しがってくれる人に譲ります。

手放す理由は「服の趣味が変わって着なくなった」がダントツの1位ですが、「試着してみて買ったのに、いざ着て生活すると身体の動きと合わさると心地よく着られない」「そもそも出番が少ない」というのもあります。

そんな具合だからたいていきれいで、対象の衣類も私のクローゼット内にいてもくすぶるだけで、誰かの手に渡る方が「第二の人生」を豊かに過ごせるに違いありません。

大量生産されている衣類であっても、この地球上のどこかで人の手が動かされて作られていると考えると、安易にゴミ扱いすることはできないのです。

人に譲るのが失礼なくらいにくたびれている衣類は、雑巾に生まれ変わらせます。たとえば、くたくたになったTシャツやインナーなどは1ヶ所に集めておき、タイミングを見て裁ちバサミで4センチ四方くらいの小さなサイズに切って、キッチンの隅にかけた小さな紙袋に入れておきます。

数が多すぎるので数えたことはないものの、1枚のTシャツから3〜4ヶ月分の雑巾が生まれます。

「ミニミニミニミニサイズ」くらいの雑巾は食事前後にテーブルを拭いたり、水回りのちょっとした汚れを拭いたりするのに使います。

ひとり暮らしで小さなテーブルを使っているから大きな雑巾は必要ないし、雑巾を美しい見た目かつ清潔に管理するのは至難の業。

それなら使い捨てで十分です。使い道のなくなった衣類を雑巾にすれば、ウエットティッシュやシートのような紙ものをわざわざ買わなくても事足ります。

くたっとなった衣類のほか、だいぶ使い込まれたタオルも使い捨て雑巾として活用することがあります。

衣類は10〜15センチ四方くらいのサイズに切り、フェイスタオルならば半分に折り続けること3回、1枚のタオルから8枚の雑巾を誕生させます。

それらは月に一度程度、部屋の窓を拭くときに使用。車の往来が多い大通りに近いせいか、ベランダに出て窓拭きをすると、雑巾に黒い汚れがつくのです。

この場合、繰り返し洗って使うよりも、使い捨てる方が水という資源を無駄遣いせずに済むと思います。

そうそう、この中くらいサイズの雑巾は、他にも使い道がありました。使い終わったキャリーバッグのキャスターを拭くのにも程よい大きさで重宝しています。

穴の開いた靴下も窓拭きやキャスター用の使い捨て雑巾として、この世で役目を終えていただきます。

手にスポッとはめて窓やキャスターの汚れを拭うのは、手も汚れにくいし、雑巾を使うよりも楽ちんです。

モノを溜め込みたいわけではないけれど、まだ使えるモノを粗末に扱ったり、簡単に捨てたりはしたくありません。

人の間で循環させることができないなら、「最後」まで使い切りたい。そんな人向けには、布ものは使い捨て雑巾に変身させる提案をしたいです。

Text / Sonoko Ikeda