旅嫌いのあなたこそ旅をすべき理由

こんにちは。楽園の地図と申します。週に1度、様々な国の楽園を紹介するメールマガジンを運営しています。

私は無類の旅好きで、去年も4ヶ月ほどかけてヨーロッパやアジア各国を回ってきました。私が泊まるホテルは豪華なホテルもありますが、なかにはドミトリーと呼ばれる、2段ベッドを旅人たちで分け合う場所や、トイレットペーパーも置いてないようなひどいホテルにも泊まります。10時間も地元のローカル鉄道に揺られることもあれば、日本のように綺麗に舗装されてないオフロードをボロボロのバスで走ることもあります。

10時間乗って辛かったタイの寝台列車。椅子が直角で隣に人がいて全く寝れなかった

こういうガチ勢は少数派ですが、何らかの形で旅が好きという人は私の統計的には日本人の半数ぐらい、もう半数ぐらいが嫌いか、それほど興味ない、家が好き、などという気がいたします。そしてこの記事はもう半分の旅嫌い、家好きの人に向けてあえて書きます。

ズバリ、旅に行く理由は、自宅や、あなたの生活をよりよくするチャンスでもあります!

どういうこと? と思う方もいるかもしれません。これは例えばこういうことです。私は4ヶ月旅するような長期の旅でも、バックパック一つで、荷物は7kg以下にしています。なぜ7kgかというと、LCCと呼ばれる安い航空会社は7kgを超えると超過料金が取られるからです。それに、街から街へと移動する際、重い荷物を抱えているととても疲れます。荷物を軽くすることは、それだけ快適に旅をするための鉄則でもあるわけです。

さて、例えば1泊2日の旅行に行った場合、このように感じたことはありませんか? いつもは部屋にたくさんものがあるけど、旅行では荷物を選んで持っていきます。そのため、全ての行動がシンプルになります。時間があるからと本を読むにしても持ってきた冊数は限られていますし、靴は一足ですから、どの靴を履いていこうかと迷うこともありません。スマホ、財布、着替え、歯ブラシや日用品、文庫本、以上。そう、荷物をシンプルにして生活することは意外と居心地がいいのです。そう、旅に慣れるということは、少ない荷物で生きるということを実践することであり、これは部屋にあるいらないものをあぶり出すチャンスなのです! そうやって普段の生活の中から絶対に必要なもの、あるといいもの、なくてもいいものが浮かび上がってきます。旅から家に帰ったら、いらない荷物を捨ててみようではありませんか?

それだけではありません。例えば海外なんかに出ていって、素晴らしい絶景を見ていたとします。

ルーマニア・ブラショフの街並み。赤い屋根の旧市街が一望できた

絶景を見たあなたは何をしますか? スマホで写真を撮りますね? そうするとLINEの通知が届きました。以前の職場の同僚のグループLINEでした。もちろんこちらが海外で絶景を見てることは知らない人物からの、飲み会の誘いでした。思えばこの飲み会、なんか集まるといつも会社や社会の愚痴ばかり言って、お互いを慰めるだけで、あまり気乗りしないのですが、それでもなんとなく惰性で付き合っていた関係性だったのです。また別の通知が入っていて、それはあるいは別れた恋人からの、いつもの寂しそうなLINEでした。まだほんの少し未練があった私は、ついつい他愛もないメールを装った元恋人のメールに、ついつい返信していました。そんなLINEの通知が2つ並んでいます。そこであなたは絶景を眺めながら、グループLINEをミュートにして、元恋人からのLINEに「ごめん、もう連絡しないで」と送って、ブロックします。

そう、旅は、日常の中の必要ないものを捨てるチャンスなのです。

旅に出て、日常と違う環境を生きていると、あなたの日常をいつもより客観的に捉えることができます。例えば様々なやらなければいけないことが多くて忙しいとき、まずは作業を一旦置いて、あなたは今やらなければならないことをリストアップして優先順位をつけますよね? その瞬間、あなたは作業からは離れています。作業しながらリストアップはできません。日常も同じように、日常を生きながら日常を考えることは実は困難です。そんなときは、日常を離れてみましょう。

聞いた話では、人間が夢を見るのは、その日に起こった出来事を記憶し、必要ない記憶を整理するためだそうです。まさに夢を見るのと記憶の整理の関係が、旅をするのと日常の整理に対応します。少なくとも私はそう思ってます。昔から旅のことを自分探しなどと言うことがありました。一方、旅なんかで自分は見つからないという批判もよく聞きます。私はこの2つのどちらでもない意見で、旅は自分整理の時間である、と考えます。

どうでしょう? 日常が忙しいあなたも、いや日常が忙しそうなあなたこそ、少しは旅に出てみませんか?

Text / Rakuenmap