気くばり上手な人は「開いている」 – 『リーダーの気くばり』を読んで

「気くばり」できる人に憧れます。というのも、気くばりが得意ではない自覚があるからです。

そんななか『リーダーの気くばり』が刊行されるのをメールマガジン「【IndigoBlueメルマガ】柴田励司の人事の目」で知って予約購入し、1週間ほど前に読み終えました。

著者の柴田励司さんは、組織開発・人材開発などを行うIndigo Blue社の代表取締役で、これまで数々の有名企業で代表やCOOを歴任してこられた方。

私と柴田さんの出会いは、柴田さんがパス代表取締役CEOを務めておられて、パス社がWebメディア「DRESS」を買い取り、自社事業にした2016年に遡ります。

柴田さんの仕事歴やお話に触れてから、発信を読みたくなって、当時から毎週日曜に届くメルマガを楽しみにしています。

さて、『リーダーの気くばり』は、第1章「マネジメントは気くばりである」、第2章「気くばりに必要なスキル」、第3章「人との関わり方の基本」、第4章「身近な気くばり54」(家族編/部下編/上司編/同僚編/顧客・取引先編/自分編)で構成されています。

柴田さんが見てきた、あるいはご自分がしてきた気くばりの事例が多数紹介されていて、いずれも「こんな気くばりができたらなあ」と感じるものばかり。

全体を通して学びがありましたが、本書でいわれる気くばりを実践する上で基礎となるのは「心身をやわらかくしておくこと」ではないかと考えました。

とくにリーダーの場合、周りのメンバーから「この人と一緒に働きたい」と思われることが必要条件であると柴田さんは第1章で言います。

それには「この人は自分を受け入れてくれている」といった安心感を持たれることが重要である、とも補足します。

「自分を受け入れてくれている」と感じてもらうには、その人の失敗も成功も全部受け入れます。私はこの状態を「開いている」と称しています。

(『リーダーの気くばり』P17より引用)

まずは、メンバー、周りの人を緩ませる。これにより自分を含め参加者全体が開き、自然体で議論ができるようになります。

(『リーダーの気くばり』P27より引用)

身構えたり、カッコつけようとしたりすると、無意識でも緊張が生まれ、自分の心身が硬く強張ってしまいます。

一方、自然体でいればリラックスして、心身はやわらかく保たれる。みなさんにもそんな経験はないでしょうか。

自分の心身がゆるんで余白があるときは、他者に目を配る余裕が出てくるのを感じます。逆に、自分の心身がカチコチで余白がなければ、自分のことで精一杯。

前者のモードのときは、宴席で近くの人から「よく見ていますね」「すごく気づきますね」と言われることがありました。

適切な気くばりをしたいなら、自分がやわらかくゆるんでおくこと。気くばりはビジネススキルの一種であるという話だけではなく、心身のケアや心身にまつわる考え方とつながる話でもあるのです。

「周りにとって心地よい気くばりができる人」を目指すために、毎朝自分をやわらかくゆるませてから1日をスタートさせる習慣を持ちたいものです。

Text / Sonoko Ikeda