ライフスタイルに問う服の選び方

私は服をたくさん持っていないので、10年以上衣替えをしていません。
収納場所に余裕がないという理由もありますが、たくさん持っていても着る服は限られるため、極力服を増やさないように心がけています。

服を増やさないためには、服を買わないこと。
手持ちの服で満足できていれば、新しい服を欲しくなることがありません。

今でこそ服選びで失敗することはほとんどありませんが、20代の頃は数々の失敗を繰り返してきました。
「流行っているから」「憧れの人が着ていたから」「雑誌で見て一目ぼれ」などの理由で似合いもしない服を購入しては、袖を通さなかったことも数知れず。
「好き」と「似合う」が違うことも、30代半ばにようやく受け入れられました。
40代に入った今は、あることを目安に服を購入しています。

それは、自分のライフスタイルに合った服を選ぶこと。
どんなに素敵なデザインでも、どんなに自分に似合っていても、ライフスタイルに合わない服は着る回数が減り、いつの間にかクローゼットの奥の方へ追いやられることになります。
私の場合、迷ったときは以下3つに当てはまるかどうか考えます。

(1)自転車に乗りやすい
私の日課のひとつが、下の娘を自転車で幼稚園まで送迎することです。1日2往復。
電動アシスト付き自転車を利用しているので、普段から片道6〜7kmなら自転車で移動します。
自転車がメインの移動手段だと、例えばフレアスカートを買っても履く機会は滅多にありません。自転車に乗りにくい服は5枚ほどあれば十分楽しめます。

(2)シワにならない素材
着ている服にシワがあると、気になってその場を楽しめなくなるほど嫌な気分になります。しかし私はアイロンがけが苦手で、できれば一生かけたくないと思うほど好きではありません。
アイロンをかける回数を減らすためには、シワになりにくい素材選びが必須となります。
シワになりにくい服は、旅先に持っていきやすいというメリットもあります。

(3)ポケットがあること
近所へ出かけるときや散歩するときは、財布と家の鍵だけポケットに入れて手ぶらで出かけます。カバンを持っているときでも、交通系ICカードなどはすぐに取り出せるようポケットに入れるのが癖になっています。
ポケットがないことで着なくなった服もあるほど、私にとってポケットの有無は服選びの重要ポイントです。

(1)~(3)に当てはまる好みの服を見つけても、購入するのは服を処分してからです。先に処分して、同じ枚数(or 以下)を購入することで手持ちの服を増やさないようにしています。

処分する服のほとんどは、ウエスにして掃除に使います。好みが変わって着なくなった服は、状態がよければリサイクルショップへ。生地の柄が気に入っている服に限っては、ヘアアクセサリーなどの小物に形を変えて使い続けることもあります。

私が今少ない服で満足できているのは、特別な服ではなく、毎日着続けられる服のおかげです。
どの服を選べばよいのか。
どの服を残すべきか。
迷ったときは、今の自分の生活を知ることがヒントになるかもしれません。

Text / Asako Yano

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