2年愛した福岡を離れ、大阪で暮らす3つの理由

2年暮らした福岡。1月末をもって離れることになりました。私の中では「一時的な別れ」という認識ですけれど。2月から大阪府豊中市に住みます。

といっても……寂しいです。この間、友達といえる人が何人もできたし、住んでいたのは月の3分の2とはいえ、大切な記憶がたくさん積み重なった場所になったからです。

地元・岡山に18年、東京に17年住んできましたが、福岡の2年はそれらに匹敵するくらい濃い日々でした。

そんな特別な街で、今も好きなことは間違いないですが、引っ越す理由は明確に3つあります。

1.2拠点生活にマンネリを感じている今、1拠点での「静かな生活」を送ってみて、その上で自分に起きる変化を観察したい

2.パートナーと同物件・同フロア・別部屋に居住する「ご近所さん以上同棲未満」的な暮らし(もっとキャッチーなワードを探索中です)を実験的に行い、コンテンツ化したい

3.まずは猫をチーム(私とパートナーのふたりユニット)のメンバーに引き入れ、猫のいる新生活を始めたい

1について、東京にいたときを含め、2拠点生活を3年間してきたので、さすがに慣れすぎてしまいました。「2拠点間の移動が当たり前になり、飽きた」と言ってもいいかもしれません。

「そろそろ移動しない生活を試みてもいいのでは? このまま福岡-大阪を行き来する生活を続けていても、自分に変化はないだろう」との結論に至りました。

本音は彼を福岡へ呼び寄せて、近距離暮らしをしたかったのですが、仕事の都合上それは叶わないため、私が大阪へ行くことにしました。

2について、月10日はパートナーの家に住んでいましたが、1ヶ月フルで暮らす(定住する)のとは次元が違います。

そして、同棲は結婚前に経験済で新鮮味はないため、「コンフォートゾーンの内側」の選択に過ぎません。予定調和は見えていますし、未知の発見もなさそうです。

「文章を書いて生きていきたい」「まだこの世にないコンテンツを作りたい」というWantを抱える私が、今この段階で分かりきっている同棲をしても、自分の活動に大きな影響を及ぼさないだろうとも思いました。

だからこそ、同物件・同フロア・別部屋での居住を試したい、挑戦したい。未経験の暮らし方であり、「コンフォートゾーンの外側」にある選択肢ゆえに、やる意味があります。

物件探しでお世話になった不動産の担当者さんからは、「こんな依頼(カップルがふたりで来て、同じマンションでそれぞれ部屋を借りたいとオーダーするケース)は初めてです」言われましたが、その言葉を引き出せてニヤリとなりました。

かなり少数の人が実践する暮らしの形のようなので、狙い通りです。

この計画を話すと「それ最高な暮らし」「理想的」と言う人たちが結構いました。

潜在ニーズがあるのを確信しているので、そこで経験したことや気づいたことをZINEなり電子書籍なりコンテンツ化します。

実践者の事例をベースに、ひとつの選択肢として提示することで、「夫婦(カップル)は同じ家に住むモノ」という思い込みや一部の人にとっての呪縛を解き放つ役割を果たしたいと考えています。

3について、猫も我がチームの一員です。生き物だし、赤ちゃんのような存在です。育児をしたこともない、するつもりもなかった私が、ひとりで見守り、お世話することはできません。

もともとは彼が「犬か猫と暮らしたい」と言い始め、それに同意したのが始まりです。ふたりで見守り、お世話をすることで、猫という新メンバーから学ぶことはたくさんあるでしょう。

以上、主に3つの理由で引っ越します。とはいえ、福岡はとても好きな街です。2年後だか、5年後だか分かりませんが、戻ってくることを狙っています。

一生の別れではありません、と強調してキーボードを叩くのをストップします。

Text / Sonoko Ikeda