300円のサバ水煮缶を「高い」と避けた自分を反省した日

サバの炊き込みごはんを作るため、スーパーでサバ水煮缶を探していました。

サバ水煮缶

すると、98円のモノは売り切れで、残っているのは300〜400円前後のモノだけ。「サバ缶、高くなったなあ」と感じた私はひらめきます。

生のサバを買った方が、安価かつ新鮮でいいのでは、と。そこで鮮魚コーナーへ。

ゴマサバが400円ほどするのに対し、頭を取り除いたアジが6尾198円で売られていました。

それが目に入った瞬間、サバへの想いや執着はスッと消え去り、すかさずアジを手に取っていました。

今日はアジの炊き込みごはんにしよう、と決めます。

帰宅後、アジを洗って骨を取る作業です。我流で指を使って骨を引っこ抜くような、「ワイルドだろぉ?」と言いたくなる取り方をしていると、ときどき指に小骨や背鰭が当たって痛くなります。

ある程度加工されているのでなんとかなるだろうと思い、適当な方法で処理したものの、後になってから、正しい方法を調べてやってみたら良かったと思いました。

私はこの年になっても魚を捌いたことはなく、捌こうと試みたこともなく、魚を調理するときは必ず切り身を買ってきたので、「おろす」という発想を持たないのです。

恥ずかしながら、加工された状態に慣れすぎていました。頭や身体に新鮮な刺激を与える目的で、近々やってみます。

少し苦労しつつ、料理酒をかけたアジたちをレンチンし、粗熱がとれてから米や調味料と合わせて炊飯器へ。

結果、味は美味しくできたのですが、自分で魚の下拵えをどうにかやってみて、この苦労や時間的なコストを考えると、サバ缶を買った方が良かったなと感じました。

300〜400円という金額は決して高くない、とも思い直しました。そこには加工料が乗っています。

私の調理をラクにしてくれる、大きな価値があります。そう考えると98円のサバ缶は安すぎないでしょうか。

この経験は、一見面倒そうかつ未経験の下拵えにチャレンジしてみること、「適切な値付けとは」を考える機会になったこと、得るモノがふたつもありました。

今後も何気ない日常の中で、こうした気づきやここから広がることをシェアしていきます。

Text / Sonoko Ikeda