2024年1月16日〜1月20日の日記

※この日記は電子書籍orZINE化を目的に、2024年1月1日より綴り始めたものです。5日ごとに掲載します。

1月20日(土)

昼、玉造の老舗洋食店「東洋軒」でビーフカツを食べる。ポタージュも美味しかった。食後は森ノ宮方面へ歩き、「ロイヤルホームセンター」へ立ち寄る。ペットコーナーの広さに驚いた。これまでいかにペット市場に目が向いていなかったかを実感。人は見たいモノだけ見ている。30分ほど滞在して、今後買うであろう猫アイテムを見る。

玉造のエニタイムに行くと、その時間帯は男性ばかりで、全員がガチトレーニー系であった。友人同士で来ている人たちもいる。土曜午後、連れ立ってトレーニングに来るとは、なんて健康的な在り方なのか。心の中で「いいね!」した。

帰路、道中にあるショッピングモール「もりのみやキューズモールBASE」に寄った。アパレルショップやライフスタイルショップを見るも、購入はしない。買ったのは100均にて猫のおもちゃひとつだけ。熟慮して最も安全性の高そうなモノを選んだ。手持ちの素材で自分で安全なモノを創意工夫して作るのも楽しいと思う。

1月19日(金)

昼は谷町四丁目の「中華そば やいろ亭」へ。麺もスープも具材も何もかもが美味しかった。歩いて堺筋本町方面へ向かい、エニタイムからの心斎橋「PHYTO CAFE」でお茶しながら内省。昨夜、自分の言動について反省したことがあり、何が原因なのか、何をすれば変えていけるのかを考えていた。「なぜ」ではなく「何」を考えて、未来につながる行動を続けたい。

1月18日(木)

午後、大阪市内のブリーダーさんのもとへ、2月半ばに迎える猫の見学に行く。先月も一度訪れているのだけど、前回はバンビーノ(スフィンクスとマンチカンの交配により生まれた猫種)の男の子だけを見学。今回はその子のきょうだいである女の子と別の男の子も見せてもらう。爪切りの練習をさせてもらった。皮膚に隠れている爪をむにゅっと出すのに手こずるが、わりとおとなしく抱っこされたまま切らせてくれる。教育が行き届いているなと思う。

夕食後は賃貸契約書類の対応。独り立ちして20年、10回くらい引っ越しをしてきたけれど、賃貸の契約って昔から進化してないなと思う。住所や名前を何度も何度もいろいろな書類に書く。身分証明書とマイナンバー提出で、Webで完結させるのは難しいことなのだろうか。この方法、半世紀以上変わっていないのでは、と思わざるを得なくて、引っ越しのたびに憂鬱ではあるけれど、ならすと2年に一度引っ越しをしている時点で、そのモヤモヤは対して存在していないのかもしれないと思う。私にとって、引っ越しはその「時代遅れだな」という感覚を超える何かがあるらしい。ただ、飽きっぽいだけか。

1月17日(水)

阿東滞在3日目。キャンピングカーの寝心地は良かった。寝落ちてからは朝6時半に目覚めるまで熟睡。さすがCANTALの最上位モデル、Bolero。7時に外へ出てお手洗いへ行ったら、景色一面に霜が張っていた。夜中はマイナス2度くらいに下がっていたようだ。お手洗いの水道は一瞬氷が出た後、問題なく水が出てきたけれど、屋外の水道の方は凍っていた。

昨夜の屋外調理・屋外夕食跡を片付け、お世話になったNPOあとうの事務局長やスタッフさんに挨拶してから移動する。今日も新山口駅付近まで運転を担当。「道の駅長門峡」(ちょうもんきょう、と読む)へ寄った後、新山口駅方面へ向かい「元祖瓦そば たかせ ごはん処りゅう庵」で瓦そばを昼食にいただく。同乗する友人ふたりとは新山口駅でお別れ。彼らは宇部空港から関東へ戻る。

駅で「外郎」を買って食べた。1日目の懇親会で「外郎は山口の名物で、プルプルしている」と聞いて、それは食べずにはいられない、となった。「外郎=愛知」と思っていたから違いを確かめたかった。聞いた通り、プルンプルンと揺れる感触。喉越しがいい。そのまま新大阪へ向かった。

1月16日(火)

阿東滞在2日目。午前はNPO法人ほほえみの郷トイトイの移動販売を見学しつつ、利用者やスタッフさんの話を伺う。トイトイは平日5日、集落や個人宅を回って食料品や日用品を販売している。特徴的なのは「近くにスーパーがなく、移動の足もなく、買い物が難しい人たちにモノを売る」のではなく「買い物を楽しんでもらいつつ、何気ない会話ややりとりを通じて、地域住民の健康状態を知る(安否確認)」ことを目的としている点。

だから、たくさんの日常会話が交わされていて、利用者の笑顔が見られた。10年続けてきて、阿東では今やインフラとして欠かせない存在になっている様子。特にサブスク的な利用料もなく、誰もが欲しいモノを購入できる場となっている。ビジネスモデルを聞く限り、どう考えても収支はギリギリなのではないか。こういう事業こそ、国から補助金を得て、持続可能なビジネスになるのが望ましいと思う。

昼は「ランドマーク」で食べた後、羊毛造形作家の郭伝灝(かくでんこう)さんによる羊毛フェルトワークショップに参加。2002年に北京から留学生として来日した郭さんは、2013年に奥さんの勧めで羊毛フェルトのアートを始め、初の作品は「ムーミンのようなモノ」だったらしい。2015年に「旅する羊毛」の屋号で羊毛フェルトアーティストとしての活動を始め、羊毛で野生動物を創作するうちに売れっ子になった。

驚いたのは野生動物の生態や身体の特徴を調べ、筋肉図を描いた上で、骨格から作り上げる工程。ただ、かわいいだけじゃない。良い意味で変態的な(郭さんが「そう言われると褒め言葉だと感じる(笑)」と話していた)領域を追求するアーティスト。なぜ野生動物をモチーフにしているのかの背景も興味深かったし、郭さんのキャリアや経験に基づくと、それを追求するのは自然な気がした。

作業時間は1時間。ということで、立体物を作るには足りないので、平面的なコースターを作ることに。羊毛フェルトは専用の針と土台、羊毛フェルトの3つだけでできる。場所も取らない気軽さが良い。使いたいフェルトをちぎって目指す形にして、針を垂直にして土台に刺していく。まずは輪郭部分から打ちつけて形作る。ただひたすら針を少しずつ動かして、輪郭を固定した後、輪郭内の羊毛フェルトを固定していく。針を打ちつけている間は無心になる。その時間は瞑想のようで心地良かった。スペースを取らない趣味の活動として、羊毛フェルトを始めたいと思った。

夕方、昨夜の懇親会に来ていた方が経営する「なかおりんご園」へ立ち寄り、りんごや加工品を購入。阿東には35種類くらいのりんごがあるという。会話を楽しみ、りんごジュースをいただいた後に温泉「道の駅 津和野温泉 なごみの里」へ移動。今夜はキャンピングカーに泊まるので、入浴を済ませておく。いいお風呂だった。

夜はキャンピングカーレンタルサービス「CANTAL」の最上級モデルのキャンピングカーをあとう観光協会の駐車場に停め、その外でテーブルや椅子を並べて食事。地元のスーパー「丸久」で買った刺身の「ズリ」は地魚なのか、もちもちむっちりして美味しかった。昨日作った味噌ストレーネの残りに豚肉や白身魚やきのこを入れてちゃんこ風にして食べた後、雑炊にもした。魚介や肉の出汁が効いていて美味しい。焚き火も楽しんだ。

キャンピングカーはすごい。結構広いし快適だ。そして、空を見上げるとプラネタリウムのように星々が存在感を持って輝いている。ありきたりな感想だけど、都会にいると見られない量と質の美しい星々だった。これが日常にある生活は贅沢だなと思う。

Text / Sonoko Ikeda

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