キーケースを新調しました。自分の欲しいキーケースが世になかったので、オーダーして製作してもらったモノです。
作ってくれたのは、白金(福岡市中央区)の革製品専門店「RUMBLE LEATHER CRAFT」のオーナーさん。福岡での2年間、何度もお世話になりました。
今回依頼した背景は、既存のキーケースの金具部分に鍵を取り付けるのが苦手で苦痛だと長年感じていたからです。
賃貸契約を終えるときに取り外す際も苦戦していました。実家を出てから20年で10回もの引っ越しをする度に重ねてきた苦労。
(苦労と言うと大袈裟かもしれませんが、私には苦労でした)
金具を鍵上部についた穴に通すとき、金具を鍵に押し付けて広げたり、別の道具を使って金具を広げた瞬間に穴に通したりするのが、私にはストレスでしかない作業だったんです。
これまで多種多様なキーケースやキーホルダーを使ってきましたが、100%満足のいくモノはありませんでした。
ここ一年ほどは、100均で買った小さなカラビナに鍵を通していました。カラビナに鍵を取り付けるのは楽です。
ただ、カラビナの強度が弱いのか、鍵がときどき外れてしまい、ひやっとすることもありました。そこで、頼れるRUMBLE LEATHER CRAFTに課題を含めて相談。
雑談を含めてヒアリングをしてもらい、「鍵を包み込む餃子っぽいデザインで作ろう」と話がまとまり、好みの革を選んで、取り付ける金具類を提案してもらい、製作を進めてもらいました。
できあがったキーケースは上部についたふたつの穴に、ステンレス製のワイヤーキーリングが1本通っています(下記の画像リンクは参考です)。
鍵の取り外しをするときは、ワイヤーを外して通すだけで完了します。なんてストレスがないのでしょうか。
さらに工夫されているのは、餃子っぽく見せるためにヒダを作ってもらっていること。細かい手仕事です。
ワイヤーを取り外して金具の見えない角度で皿に盛り付けると、少し離れたところからだと竹炭餃子に見えます。
このエピソードにはこぼれ話があります。当初、好物である餃子デザインに盛り上がった私は、「思いっきり餃子に寄せてください!」と白系の革を選んでいました。
しかし、一晩明けてから冷静になりました。一般的な餃子と見紛うようなキーケースにした場合、面白すぎないかと考えたのです。
面白さは上等ですが、黒い小物やバッグが多い私の持ち物の中で、浮いてしまうのではないか、と。せっかくいいモノを作ってもらうのだから調和が欲しい、とも思いました。
そこでオーナーに連絡し、やはり黒い革で作ってほしいと伝えました。その判断は正しくて、黒い革だからこそカッコよく、シックに仕上がっていると感じます。
パートナーもこのキーケースを見て「いいな」と興味を持っていました。もし彼がキーケースを必要としたときはオーダーして作ってもらい、プレゼントする予定です。
オーナーには「既存のキーケースに対し、私のような課題を持つ人はたくさんいるだろうから、この製品は私だけのモノにするのはもったいない。素晴らしい発明だ。買いたい人は多いと思う」と伝えています。
いつか店頭に見本が並ぶこともあるかもしれません。
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(こちらのハサミ収納ケースも、ほぼ同時期に製作してもらいました。一点モノ!)
これからも、存在しないモノかつ自分は作れないモノは、信頼する作り手に依頼して製作してもらいたいです。
ストーリーがあるモノは自然と大切に扱うため、結果的に長持ちし、使っているうちに温かい記憶が蘇って幸せな気持ちにもなるなど、いいことしかありません。
RUMBLE LEATHER CRAFTとの関わりではそんな経験を得てきました。大阪に来て物理的な距離はできましたが、これからも必要なタイミングで相談したいと思っています。
福岡にいる方はお店を訪れてみてください。聞き上手で雑学好きなオーナーが工房兼店舗で待っていますよ。
Text / Sonoko Ikeda
Photo / RUMBLE LEATHER CRAFT
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