離婚から8年、傷ついていたのは私だけではなかった。

私は一度離婚しています。2016年1月、29歳のときです。

自由気ままにふらふらしているせいか、近年知り合った方には独身を貫いていると思われることもありますが、今や希少性のないバツイチです。

現在38歳なので、早いもので8年前。約2年半の結婚生活でした。

子どもはおらず、喧嘩別れでもなく、裁判所が絡むこともなく、請求一切なしのニコニコ離婚。

少し前、元夫が離婚と再婚に関する文章を発表していました。

そこで目にした表現から、「へえー」と今さらながら知ったのは、元夫もそれなりに傷を負っていたという過去でした。

離婚に至った要因はいくつかありますが、「私の認識」では以下が最大の背景でした。

「私は人生におけるビジョン・ミッション・バリューもなければ、具体的な向上心も面白みもない人間。夫はその真反対で常に目標を掲げ、向上心や知識欲、ユニークさなどで溢れている人間。対照的すぎることから、一緒に生きていく相手としては相応しくないと愛想を尽かされ、興味を失われてしまった」

当時、私は元夫に対する謎の執着があり、しばらくは未練があったため、別居〜離婚成立から1〜2ヶ月は落ち込み、休日には時折泣いて過ごす日々でした。

今となっては「暇か」とか「あほか」と思いますし、もし今のパートナーと関係を解消しても、そんなメソメソ状態にはならないでしょう(離別ではなく死別だと精神的にキツいです)。

「世界の半数が男性という自分の恋愛対象であり、かつ私の守備範囲は広いというのに、なぜそこまで嘆き悲しんでいたのだろうか。外に出て活動すれば、すぐにひとりやふたりボーイフレンドはできるだろうよ。それに、したいことが多すぎるから、悲しみに耽る時間はない」的なモードだからです。

一方で、元夫はピンピンしていると思っていたのです。「(当時の)つまらない妻と2ヶ月の別居を経て、特に揉めることなくさっぱりと別れられた」から、彼にとってはプラスなことばかりであろう、と。

ただ、行間から元夫が傷ついていた理由を想像することもできました。

・結婚したかった私が「結婚しよう」と押し切って、半ば強引に結婚プロジェクトを推し進めていったこと
・押されて流れで結婚してみたものの、うまくいかなかったこと
・それゆえ、はからずもバツイチというステータスになってしまったこと

私のペースに巻き込まれ、当時まだ若かった元夫はNOを言うことなく、私の誘いに乗り気ではないものの、うっかりのってしまったのでした。

「なんで、こんなことになったんだろう」「あのとき、冷静に慎重に判断しておけば良かった」というのが、離婚後に元夫が感じた「空洞」ではないかとイメージしました。

離婚というテーマについて腹を割って話す機会はなかったので、あくまで想像の範囲内です。

ただ、もうこんな傷つけ方はしたくないのと、断る力のない相手に無理に押し切るやり方は二度とすまいと決意しました。

結婚はもう興味がないため、二度としないでしょうけれど、それ以外の関係性でも変な傷つけ方はしたくないものです。

相手に「その子と関わって後悔した」と思わせない人でいること、言い換えると関係が続こうとも終わろうとも「その子と過ごす時間は良い」「その子と関わった時間は良かった」と思ってもらえる人でいることが、今もこの先も私のミッションです。

Text / Sonoko Ikeda

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