「自分を飽きさせない」ためには新たな挑戦が欠かせない

キックボクシングジムで「マススパー」の練習を始めました。

マススパー=マススパーリング(ジムでその練習をしている会員さんをときどき見かけていましたが、自分がやるまでは名称すら知りませんでした)のことです。

「スパーリング」が試合形式で行う実践練習であるのに対し、マススパーは脛あてや大きめの16ozのグローブを着用して、基本的にパンチは軽く触れる程度、キックも痛くない程度に放ちます。

ジムのオーナーか、多様な格闘技経験を持つベテラン会員さんに、お手柔らかにお相手をしてもらっていますが、それでも怖いです。

相手は動くし、何をしてくるか分からない。ゆっくり動いてもらっていても、ノロマな私はそれに瞬時に反応できません。

今までは自分が打ったり蹴ったりして、受けてもらうだけの側でしたが、それとは別世界ともいえます。

サンドバッグへの打ち込みやミット打ちのような激しさはありませんが、独特な緊張感で汗をかきます。

マススパーをするようになったというと、冗談で「選手にでもなるの?」と言われますが、とんでもないことです。

どうひっくり返っても無理。今世では無理。痛いのは嫌いですし、本気で殴られるのも蹴られるのも恐ろしくてなりません。

アマチュアの世界を目指すわけでもなく、健康維持・体幹強化・ボディメイクというゆるい目的で、キックボクシングに週3〜4回通う私です。

ただでさえ飽きっぽいので、どうすれば飽きずに続けられるだろう? と考えると「新しい挑戦」を取り入れるのが一番だという結論に至りました。

そこで2ヶ月ほど前にサウスポーでの練習を開始。慣れない動きで脳トレにもなりますし、何より身体を左右均等に使い、身体のバランスを整えたい、という狙いもありました。

そして、それだけでは飽き足らず、より脳を使うマススパーを始めるに至りました。

ただ、マススパーをするようになった大元のきっかけは、先のベテラン会員さんに「今度イスラエル発の護身術『クラヴマガ』を体験しにいく」と話したところ、「それならここでも実戦の練習した方がいいよ」と助言をもらったからです。

マススパーによって、相手に打撃を与えられる「現実的な距離感」が分かるというのです。

確かにその通りで、相手と対峙して自分の腕や脚の長さ、相手との間合いを感じないと、リアルの世界では使いものにならないなと気づきました。

今は相手の動きが怖いですし、防御の仕方も慣れていないあまり、自分のグローブが顔にぶつかることもあるくらい、へっぽこ状態です。

ベテラン会員さんに言わせると「慣れだよ、慣れ」とのことで、徐々に慣れていって別の場所でも生かせたらいいなと思っています。

Text / Sonoko Ikeda