5年の意識でこう書きたい・こうありたい

朝5時と夕方5時を切り替えスイッチに働き方を大きく見直した昨年、覚えたてのフランス語を用いて「35歳までの仕事と生活モットー」を書き残しておきました。

時々フランス語を使って書いた理由は、ドラ・トーザン(Dora Tauzin)という憧れてきた日仏の架け橋ジャーナリストの著書の影響。20代では見つけられなかった生活観が現れたフランス語「Vivre Sa Vie(好きなように暮らす)」「L’art de Vivre(暮らしの芸術)」という言葉との出会いがきっかけです。

今の私はまだその意味をフランス語でうまく説明できず、等身大で表現できる生活ができたものでもありませんが、この2つのフランス語から学んだ生き方の指標に、30代後半から40代にかけて、少しずつ近づいていけたらと思っています。

今年迎えた誕生日は、特に節目と言われる歳ではありませんでした。

「もう大人だったのに若かったな」と思える25歳を振り返るとあっという間だったので、この先は10年より短い、その半分の5年区切りくらいでふと立ち止まりたいと思いました。

今日はこれからこう書きたい、こうありたいという3つの誕生日宣言を、私なりにウィットをきかせて書き表してみます。

  • ルーティンよりゆるい夕餉の支度のようなリズムでモーニングエッセイを仕込んで書く

住み始めた海街の16時半の鐘の時間から、ゆるやかな夕方のルーティンが始まる。今の私に最も合った働き方のリズム。ルーティンというより、リズムという言葉がフィットする。

17時から夕餉の支度をするように、明日の早朝に届けたい読み物を書く。
例えば明朝、誰かが満員電車で読んでほっと一息つけるようなものを。

参考)自分を苦しめないルーティン 

  • ケアは「一意専心」。極力ひとりから3人。うち、ひとりは自分。

20代まで地球規模の問題や海外に視野を広げた人へのケアを重視して生きていた。それはそれで大切な財産だったが、30代になって変わった。自分に余裕がない時、無理に広げず、まずは自分と向き合うように。

これからの私は、まず目の前の人をケアできるようでありたい。ちょっと休憩して、誰かと発散する時間を大切にできているか。周囲で動いている人をいつもケアできる自分でありたい。

カフェ活、ティー活、ワインアペロ。私には仕事以上に大切な3拍子。コーヒーもティーも、ワインもダメという人がいても、問題ない。飲むものは何だっていい。「時間を大切に」「日常の幸せを」という言葉より簡単でやさしいお誘いの仕方があることを、古き良き「ティータイム」という言葉に教わった。

参考)老いも若きも私にも、大切なケアってなんだろう?

  • 老後の蓄えには備えない。老後の夢に広い世界を貯蓄する。

今も楽しくてたまらない日本語や英語の妙、歴史を学ぶ面白さを教えてくれたのはミュージカル。私は幼い頃に諦めていたミュージカル俳優を老後の夢に設定する。

今も読み書きしているとき「RAPのリズムでは」と思うほど、音楽と言葉は常に一緒に向き合っているから、いつか舞台にも立てるかもしれない。こんな突拍子もない自己実現でも、老後の「保険」として夢を貯金しておく。

来年見返して、この3つがどのくらい進んでいるかどうか。
1つ年齢を更新したばかりですが、今から楽しみになります。

これからも10年の半分、5年区切りで年齢ごとの宣言をアップデートしながら、母や祖母の歳まで年齢を重ねてゆけたらと思います。

特に、3つ目の夢の話。母や祖母が「高齢者」と呼ばれる世代になっても、誰もが心の中の奥に秘めている夢を後押ししたいと思うようになりました。それはお金には代えられない、大切なものだからです。

 

今日の私の自分宣言を読んで、読者の皆さんが今どんな位置に立っていても、ご自身の年齢の5年前後に目線を合わせ、それぞれの想いを巡らせていただけたら嬉しいです。

Text / Anna Koshizuka

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