アラフィフの私より少しだけ年上だが、正直歳相応には全く見えない美人看護師の友人がいる。
彼女は、女性目線でも羨ましくなるほどのナイスバディの持ち主だ。10年来の付き合いで今でも時々会うのだが、いつ会っても知り合った当時と変わらぬルックスである。もちろん看護師なので、さまざまな医療関連の勉学を今でも怠らずに続けていて、元々アトピーだったことも知り合ったあとで聞いて知った。
滅多に更新されない彼女のInstagramの投稿が久しぶりに上がってきて、元気にしてるのねと思って見ていたら、その内容に驚いた。
「私が日頃やってるバストケアをお伝えしただけで、ブラサイズが3ランクアップ！」と書かれている投稿には、モニターとなった女性のビフォーアフター写真も添えられていた。私が気になったのは、バストサイズアップの話の方だけではない。
体を横から見た写真で、頭が前に出た猫背気味の姿勢がものすごく良くなっていたのだ。
私はIT系の会社員で四六時中パソコンに向かっていることもあり、どれだけ気をつけても肩が内側に巻いてきてしまい猫背気味になる。
過去10年ほどヨガやピラティスを含めて体を整えて動かすことでなんとか猫背になることを予防してきたのだが、レッスンではない日に家で自主トレーニングをするほど、仕事終わりの夜に気力は残っていない。結局週に1回通うことで防いでいるだけだった。現在通っているパーソナルトレーニングでも、最初に必ずストレッチをする。まだ体を定期的に動かしている分、ストレッチを行うと筋肉がしっかり緩んでくれるので、ストレッチをしていない方とした方の差がものすごく出て、毎回愕然としていた。
バストケアマッサージとはいえ、やることでこんなに姿勢がよくなるなら、トレーニング前のストレッチの時間も短縮されるのかもしれない。そう思い、彼女のセッションを受けることにした。
彼女から教わったバストケアは、本当に5分ぐらいで終わるものだった。
お尻の筋肉をほぐし、後ろの腰回りから背骨界隈の筋肉をほぐし、手のひらから手首、一の腕、二の腕をさすっていき、最後は肩周りの筋肉を揺らす。あとは肩周りと腕のストレッチを軽くするだけ。決して力を込めてグイグイやるのではなく、ボディクリームを塗るついでにちょっとさするぐらいなのだ。
彼女自身、もうずいぶん長いことこのケアをしているとのことで、その結果がアラフィフでもナイスバディなのだとか。
「これならズボラな私でも続けられる！」と思い、毎日お風呂上がりにやってみた。お風呂上がりに時間がないときはZoomでの会議中に細切れに実施してみた。それでもいいよ、とアドバイスをもらっていたからだ。お風呂上がりに使うボディクリームもいい香りのものにすれば、気分も良くストレス発散にもなる。
1ヶ月ほど経ったとき、パーソナルトレーニングでふと気づいた。トレーナーさんによる私の肩周りをほぐす工程の時間が短くなっていることに。そして「最近調子良さそうですね」と一言。
彼女のバストメイクセッションは3ヶ月間で、ブラジャーショッピング同行1回付き。久しぶりに彼女とリアルで会い、ブラジャーの試着に同行してもらったところ、彼女に横からの写真を撮ってもらって驚いた。毎日鏡で見ている分には全然わからなかったのだけれど、彼女が1ヶ月前の私の写真を保存してくれていて、ビフォーアフターで見せてくれた。確実に背筋が伸びて姿勢が良くなっている。そしてついでにちゃんとバストアップもしていた。しかも、ブラジャー3サイズ分も。50歳に近くなっているのにバストが大きくなるなんて奇跡が起きた。
「え、バストアップはどっちでも良かったのに、なんだか一石二鳥！」
私が思わず彼女に言った言葉である。
セッションは終わってしまったけれど、今でもバストケアマッサージは続けていて、姿勢が良くなるだけではない他の効果も味わっている。姿勢が良くなることは、私の趣味でもあるランニングにも良い影響を及ぼしていて、走り方が少しずつ良いフォームに変化。結果、昨今出場しているレースの結果は以前より良くなっている。
昨今、スマートフォンやタブレットが普及し、私のようなデスクワークの仕事ではない人も、顎や首が身体よりも前に出て背中が丸まり、巻き肩になりやすいのではないかと思う。若いときからケアを始めればもっと良い結果が出るかもしれない。でも、始めるのに年齢は関係ない。
たった少しだけ体を労ってあげるケアだけで、毎日心身ともに幸せでいられるなら、やるに越したことはない。
Text / あっち
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