ストレスを溜めない「話の聞き方」

人の話を真剣に聞いてないときがあります。聞いているようで、聞いていないのが私です。

何種類かの相槌を使い分けて反応しながらも、「今日晩ごはん、何食べよっかな」「帰ってからあの本読もうかな」など、別のことを考えています。 

もちろん、いつも人の話をまともに聞いていないわけではありません。友人をなくしたいわけではないので(笑)。

聞くときは聞く、聞かないときは聞かない。そのときどきの状況や瞬間によって、メリハリをつけているだけです。

日常生活における人との会話においては、商談や取材時などのように終始緊張感をもっておく必要はないと考えています。

これは仕事と同じです。ある程度仕事をしていると、ほどほどに抜いてもいいところ、気合いを入れて慎重に向き合わなければいけない勝負時を適切に判断できるようになると思います。

日常的な会話においても、脱力して適当に聞いてもいいところ、本気で聞くべきところを見極め、行動に移せるようになるということです。

たとえば、この先1時間近くは続くであろう、自分にとって重要度が高くない話があるとします。これを一言たりとも聞き逃さず、脳内ですべて咀嚼しようとしなくてもいいと、私は考えています。

ずっと真っ直ぐ向き合って、相手のすべてを受け止めようとするとしんどくなります。キャパオーバーになります。心身にネガティブなストレスもかかります。

加えて、多大なエネルギーも失われます。人の1日のエネルギー総量は決まっています。1日の前半で消耗しては困ります。エネルギー配分は賢く行わなければなりません。

「ここは押さえておく」というキモを外さなければ、話の最中に聞く姿勢を手抜きしてもいいと思います。ただし、相手に悟られないように、というのが前提です。

あるいは「人の話を聞いてないキャラ」で通す方法もありますが。私は、基本的には人の話を聞いているけれど、ときに話を耳に素通りさせている瞬間もある(実は)というキャラでいたいと思います。

Text / Sonoko Ikeda