2024年1月11日〜1月15日の日記

※この日記は電子書籍orZINE化を目的に、2024年1月1日より綴り始めたものです。5日ごとに掲載します。

1月15日(月)
今日から2泊3日で阿東ワーケーションに参加。昼過ぎ、新山口駅に到着後、東京から宇部空港経由で来た友人にピックアップしてもらう。ひとりは元々の友人で、もうひとりは友人の友人で初対面。山口市阿東に向かって50kmほど北東に走る。途中で運転を交代してもらう。1ヶ月ぶりくらいの運転。途中、山道は緊張して手汗がひどい。でも、とりとめのない会話はできるくらいではある。

あとう観光協会に到着後、ほかの参加者やこのワーケーションを市から委託されて取り仕切るNPOあとうの方とも合流。地元の飲食店「地球食堂」オーナーによるレクチャーのもと、地元食材を使った料理を作る。ミネストローネならぬ味噌ストローネ、タンドリーチキン制作班に分かれ、料理教室のような時間を過ごす。

夕方「道の駅 願成就温泉」へ。バスタオルを使いたい人は使用料300円に加え、デポジット500円を払い、返却時に500円が戻ってくる仕組みが不思議だった。バスタオルを持って行く人がいるから防止のため? そんな人はいるのか? 私はスーツケースに手ぬぐいを入れていてそれを使いたかったけれど、持っていくのを忘れて、バッグにあったガーゼハンカチを使用。頭と顔を洗わなければそれで事足りる。改めて今日泊まるゲストハウスでシャワーをするので、温泉では浸かって温まるだけ。

夜はゲストハウス「郷 ~sato~」で阿東に移住して12〜17年という方ふたりも交えて、午後に作った料理をいただきながら懇親会。地方の集落に住む際に気をつけたいことを聞く。「自分が所属する集落で、守ってくれる人がいるかどうか」は大事なようだ。ただ、都会でうまくいく人は地方でもうまくいく、という話がしっくりきた。自分をひらくこと、正直であることが必要。

1月14日(日)
朝、不用品を入れた段ボール箱に「ご自由にどうぞ」の紙を貼り、マンションの敷地に置いた。公道から目に入りやすい位置なので、はけてほしいと願う。東京で引っ越す前にしたのと同じ行動。当時は全部持って行かれてうれしかった。

午前、エニタイムで下半身のトレーニング。ヒップアブダクションは110kg、ヒップアダクションは96kgまでいけるようになった。下半身の筋肉量は多いから、まだまだいける気がする。

午後、『「コーチング脳」のつくり方』を25分読む。先月末に「毎日朝1時間読書」ルーティンを決めたけれど、できてないことが多い。でも、25分の集中読書は実践できている。時間の使い方はまだまだ見直せる。

夕方、「薬院カイロサロン」へ行って施術。共通の友人が多い方とここで対面することができた。この場所でも多くの人と出会ってきた。というより、施術家の望さんが多くの人を引き合わせてくれた。福岡のパワースポットのひとつ。施術前に10日ほど前から右肩と右二の腕、右一の腕が痛む状態を伝え、それらに関係する部位を集中的にケアしてもらう。

施術後は望さんと薬院「博多フードパーク 納豆家 粘ランド」で夕食。一度ランチで来たきりで、ディナーもいつか行きたいと思っていたのでうれしい。納豆と明太子のクリーム生パスタはもちもちで美味しく、納豆とクリーム系の素材が予想外に合うと知れたメニューだった。福岡にいる間、もう一回来たいと思う。

1月13日(土)
朝、香椎の「ピカソアート絵画教室」へ。友人のアサコナンとデッサン体験。私たちはスカッシュや暗闇トランポリン、キックボクシングなど、ごはんを食べる予定のついでにスポーツを楽しんできたけれど、今回は文化系活動を選択。本当はこの日、アーチェリー体験に別の友人も含めて行く予定だったけれど、諸事情で変更した。

素人の仕上がりではあるものの、芯の柔らかさが違う2〜3本の鉛筆で、ここまで立体的にモノを描けるのかと、最後はびっくりしつつうれしかった。構図決めから形取り、面取り、調子(明暗をつける)と4つのステップを教わりながら実践。構図決めに使う「はかり棒」は自転車店で100円くらいで買えるスポークを使用した。画用紙にいきなり描くのではなく、対象を描く位置を決め、大きさは実物大か1.5倍くらいまでとし、大量の線を引きながら対象の形を落とし込んでいく工程は、これまでしたことのないアプローチだった。この日は先生の解説が入りながらだったけれど、家でイーゼルに立てかけた画用紙に向かい、静物を描く時間は瞑想的になり得るのではないかと想像する。

絵画教室からすぐの「レストランビストロ」で食事後「BLACK&STAR Coffee」でカフェ。Googleカレンダーの記録によると、アサコナンと初めて会ったのは昨年4月だった。以降、1ヶ月半に一度くらい会っていた様子。波長が合う人で、私の好きな価値観を持っている人で、もっと早く誘えば良かったし、もっと遊びたかったけれど、この人とは例えば半年に一回しか会わなくなったとしても、空白の時間を感じさせないくらい、すぐに盛り上がってまたゲラゲラ笑いまくれると思う。香椎駅前で写真を撮り、握手をして別れた。ここでハグするのに躊躇するのが、私の弱さである。12月に参加したワークショップ「Reboost」の最後で学んだこと、感じたことを思い出そう。

博多駅まで戻り、空港線に乗り換えて下山門駅へ。今日は往路で、猫先輩Yちゃんから借りた『シャム猫あずきさんは世界の中心』を読み終え、途中から『みんなもっと日記を書いて売ったらいいのに』に手をつける。下山門駅から15分ほど歩いて、イタリアングレーハウンド・ウィペット専門ブリーダー「FataIG」さんを訪問。パートナーが1年以内なのか、もっと先なのかは分からないけれど、ウィペットかイタグレを飼いたいと言っていて、その視察に来た。

兵庫・大阪でもブリーダーさんを2件巡ったけれど、それらは専門ではなかった。福岡にいる間に、専門でやってきた方に話を聞きたくて、私が代表して訪問したのだ。ブリーダーの荒瀬さんはイタグレのブリーディングからスタートし、20年近くブリーダーをしているという。親切に何でも話してくれて、2時間も滞在していた。イタグレはやっぱりかわいいけれど、元気すぎる印象を受ける。ウィペットの方が落ち着いていて、大きさはあるけれどウィペットの方が自分とも相性がいいように思う。

いつか地方の街で、離れのある庭付き一戸建て(3〜4LDK)を借り、私とタロ、猫、犬の4人で暮らすのはどうだろう。離れは私の仕事場。そんな妄想をしている。

1月12日(金)
朝のMTGを済ませてから、近所でチャリチャリを拾い、博多駅近くのスタバまで向かう。最近、東京から福岡へ引っ越してきた女性と会うため。今月末、福岡を離れる私とは対照的。下旬にランチ行きたいねと話してお別れ。

ジムをハシゴして、夕方は「ふかもり歯科」へ。2年間、基本的には毎月1回、クリーニングに通ってメンテナンスをしてもらっていた。お世話になった場所へ、何も言わずに突然通わなくなるのは私がいやなので、これまでのお礼と共に「月末に引っ越すことになり、今日がクリーニングしてもらう最後の日で、また福岡に戻ってきたらお願いします」と伝えた。自分なりの感謝の気持ちの表し方。

夜はお世話になっている会社の社長と「鍋処いずみ田 春吉本店」へ。引っ越しの件はメッセージで伝えることもできるけれど、直接伝えたかったため、年末に「年始、飲みに行きたいです」と連絡していた。物理的には離れるけれど、オンオフの付き合いはこれからも変わらない。社長は私を「いい気を感じる」と言ってくれる。私も社長を同じように感じるし、12月にサシ飲みしたとき、「飲み友になってください」とも言ってもらって、すごくうれしかったのを思い出した。それにしても鍋処いずみ田はすべての料理が美味しかった。エビスコなふたりは名物「慶州鍋」を含めて何品食べたのだろうか。やっぱりたくさん食べる人と仲良しになる。

2軒目は社長の好きな渡辺通「BAR VALINCH」へ。ウイスキーが充実したバーと聞くと、ウイスキーベースのカクテルを飲みたい。甘めなものをリクエストしたらゴッドファーザーを作ってくれた。その名の通り、1972年公開の映画『ゴッドファーザー』後に誕生したカクテル。私の好きなアマレットジンジャーのテイストを感じていたら、ウイスキー3、アマレット1の割合で作るカクテルだった。美味しさを覚えたので、今度バーに行ったらリクエストしたい。私が『さまよう刃』を見て、自分が大事な人を殺されたら主人公と同じ行動(復讐)をしようとするだろうと気持ちを吐露したのを機に、「クリエイティブな拷問」のアイデア出しの場になった。『キッチンの道具を使う拷問辞典』というZINEができるのではないかというくらい、多様なアイデアを出し合い、ノートにメモ。真面目にメモ。社長とといると、自分が好きな自分でいられて、こんな突拍子もない話をとめどなくできて、爆笑し合える。貴重な飲み友。しばらくお会いできないので、握手をして別れた。

1月11日(木)
朝、メンバーの1on1。私自身コーチングを受け始め、独学でコーチングを勉強していることもあり、それを実生活に生かしたい。私の問いかけによって、メンバー自身にゴールやアクションプランを考えてもらう時間にしようと集中する。一朝一夕にはいかないので、その場に集中して臨み、自ら体験し学び続けるのみ。

今日もキックボクシング。マススパーを再開。この時間は、いかに相手の隙をつくか、フェイントを入れるかを考えていた。でも、本来の目的は攻撃を当てて、相手を倒すこと。最中は手段が目的になっていたし、力みがあって肩周りが疲れてしまう。

自転車で移動。キャナルシティで買い物からのKBCシネマへ。映画『ヴォルテックス』(ギャスパー・ノエ監督)鑑賞。2画面に映し出される老夫婦の日常。心臓に持病を抱える作家の夫、重度の認知症になった元精神科医の妻の日常が、2画面分割映像で淡々と描かれる。こんな描き方は見たことがない。監督はほぼ全編をスプリットスクリーンで製作した背景をインタビューで「それぞれが決して交わることのない人生の道を表現した」といった言葉で語っていた。

希望の光は一切差し込まないが、発酵した愛はある、長い長い147分。認知症は治らない病気で、夫は「流れる水のようなものだ」と言った。元に戻ることはない。私たちは生まれ落ちた瞬間から、老いと死に向かっていく当たり前を突きつけられた。そして、人はひとりで旅立っていく。今幸せなこの瞬間は続くわけではない、大事な一瞬一瞬なのだと感謝して生きたい。

Text / Sonoko Ikeda

▼過去の日記▼