猫を迎えた後の話

2021年6月27日、我が家に猫がやってきました。

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猫種はマンチカン。レッドタビー(茶トラ)で短足の女の子です。

お迎え当日、当方は午後から予定があったため、契約や諸手続きは夫にお願いし、ペットショップを後にしました。

予定というのはボルダリング仲間と一緒にジムで登るというイベントだったのですが、正直猫のことが気になって気になって、ボルダリングや友人どころではありませんでした。

ぶー、ぶー……。

スマホには猫とともに家に帰った夫から猫の写真や動画が送られてきます。

こんな日にボルダリングやごはんなんてしている場合か。早く帰りたい!

なんとか予定を終え帰宅し、猫との生活が本格的にスタートしました。

ごはんは夫と猫が2人のときにしっかり食べたそう(ペットを飼う人たちは、犬も猫も単位「人」でカウントしたりします)。
食欲はあるようだし、環境の変化も問題なさそう。よかった。

その日は「我が家に猫がいる」という事実に喜びを感じながら就寝したのをよく覚えています。

翌日は日曜日。ごはんを食べるのを眺めたり、猫じゃらしで遊んだり、買っていた『ねこのきもち』を読んで猫の生態や生育について勉強したり……。

気持ちを知ればもっと好きになる! 猫の教科書

当方、どこにも出かけずに1日中家にいることはめったにないのですが、その日はずっと猫とのんびりと過ごしていました。

そして月曜日。ブルーマンデー、月曜日。会社に行かなければならない日です。

いたずらや誤飲等防止のため、猫はケージに入れたまま家を出ます。

猫は今どうしているんだろう。
ごはんは食べたかな。
うんちは出したかな。
寂しくなっていないかな。

……生きているかな。

当方はペット業界に身を置く者。
生き物を扱う性質上、当社に在籍する犬や猫だけでなく、当社からお客様がお迎えした犬や猫の病気や死についても、少なからず目や耳にします。

お迎えした翌日に亡くなった、どうしてくれるんだ。

そんなお声も聞いたことがあります。

うちのいくらちゃんは無事だろうか。
帰ったら死んでしまっていたらどうしよう。
ペットカメラを設置しておけばよかった。
いくらちゃん、無事でいて……。

そんなよからぬ考えが脳内に渦巻く中、なんとか仕事を終え、急ぎ足で帰路につきます。

どうしよう、いくらちゃんがケージ内でぐったりしていたら……。

頭の中は猫の安否でいっぱいです。
駅から家までは小走りで急ぎます。

果たして、猫は無事でした。
リビングの暗闇から目を光らして、こちらを見ていました。

よかった、生きてた……!

ペット業界に身を置いていることにより、一般の人よりペットの生死を目や耳にするが故の杞憂でした。

翌日には、「うちの猫は死なない」と、安心して家を出ることができました。
通勤途中の電車内で、ズボンに猫の毛がついているのを見つけます。

「私の家には可愛い猫がいる」

何とも言えない嬉しさがこみ上げ、思わずにやりとしてしまいました。

Text / poco

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