「良質な刺激」とアウトプットの深い関係

安定した平和な日々を過ごしていると、創作活動ができなくなる人もいる——友人とそんな話をしたとき、私は「それ、分かるような気がします」と言いました。

自分の過去を思い返すと、悲しみや苛立ち、悔しさなど、激しい負の感情を抱いていると、創作活動が進むのです。

私にとってそれらを昇華する手段として、「モノを書く」行為があるようでした。

最近はそういったネガティブな思いに突き動かされることはありませんが、「SAVOR LIFE」というこのメディアを通して毎日何かをアウトプットしています。

先の友人が読んだとあるエッセイに、「なんらかの葛藤を抱えているからこそ、書き続けられる」といった話があったそうです。

それを聞いて「だから自分は毎日書けるのかもしれない」とも思いました。

アウトプットの質が安定している、常に高品質とは言い難くても、自然と身体が動いて書く行為を継続しているわけです。

帰宅して、「葛藤」の意味を改めて調べてみました。

【葛藤】
(1)事情の入り組んだ争い。入り組んだもめごと。
(2)心の中で、対立した欲求が起こって、どうすればいいか迷い、なやむこと。
『三省堂 国語辞典』より引用

すると、あらあら、(1)はないし、(2)の「迷い、なやむこと」もありません。私は葛藤という言葉の意味を正しく理解してなかったなとも気づきました。

葛藤はない。では、何があるから毎日書き続けられるのだろうか、と考えてみました。

答えは「刺激」です。

【刺激】
(1)生物・人間のからだや心に、外から加わるはたらき。
(2)人間(の集団)にはたらきかけて、はげましたりおこらせたりする(こと/もの)。
(3)そのためにおちついていられなくなる、外からの(強い)はたらき。
『三省堂 国語辞典』より引用

書いているテーマのすべてが刺激的な物事に基づくことではありませんが、何らかの刺激を受け取る環境に、常に身を置こう、首を突っ込もうとしているフシがあります。

とくに(1)と(3)の刺激でしょうか。

たとえば直近でいうと、先日1週間参加していた「浜中ワーケーションツアー」も、先月の「玉野市ワーケーションツアー」も分かりやすい例です。

今週末に参加するGOAL-Bの「Reboost」もそうでしょう。

共通するのは、はじめましての人々がたくさんいる場所であること、見ず知らずの人々に対して自分を開示し表現すること。

それにより、自分の良いところや悪いところを自覚し、他人の良いところを知り、心が動くのです。

その過程で「これは書きたい」というキーワードが降りてくることがあります。

浜中でも、ボケが巧みすぎる人、人を引きつけるプレゼンができる人、とにかく面白い人、人間関係構築がうまい人など、いろいろな人たちに出会いました。

一人ひとりの「この人の良いところはここ」と言えるくらいになりましたし、それぞれの魅力をテーマに1本ずつ書ける自信があります。

これからも良質な刺激を追い求めて、インプットとアウトプットのバランスを適切に保っていきます。

Text / Sonoko Ikeda

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