猫はずっと家にいるもの、と思っている人は多いのではないでしょうか。
猫を連れて外に出たい。
猫を迎えてしばらくして、そう思うようになりました。
この可愛い猫をもっと世の人々に見せたい! という理由からです。
そう思い始めてから、ペット用品ショップでサボテン柄の可愛らしいハーネスを見つけます。
基本的には犬用ですが、猫でも使えるとのこと。
猫がつけている様子を脳内シミュレーション。
うん、似合う、いけるぞ。
我が家の猫は体重2.5kgに満たない小柄さなので、小型犬用の小さいサイズを購入しました。
帰宅後、早速猫への装着を試みます。
頭をくぐらせる際、途中でつっかえて首が締まったら大変だ……と冷や冷やしながら挑戦します。
なんとか装着は成功、なれない拘束具のためか、猫はよたよた歩きです。
ごめんね、窮屈だよねと思いながらも、なんとも可愛い。
リードは買っていなかったため、ハーネスと布製のベルトをカラビナでつないだ、なんちゃってリードで対応です。
猫を抱き、逃げ出したときに備えてなんちゃってリードを腕に結び付け、いざ出発です。
病院に連れて行くとき以外は、基本的には外に出ない猫。
家の外の世界が怖いのか、爪を立ててがっしりとしがみついてきます。
おまけに大きな声でにゃあにゃあ。
大丈夫だよ、怖くないよとなだめながら外を歩きます。
なかなか鳴き止みませんが、心を鬼にして歩き続けます。
外の地面に触れさせるのは衛生上心配なため、ずっと抱っこはしたままです。
道中何人かとすれ違います。
猫を外で抱っこしている光景が珍しいのか、「猫! 可愛い!」と言われたりします。
でしょ。うちの猫は可愛いのよ。いいでしょ。
にっこりと微笑みながら、心の中は得意げです。
そのまま猫の町、谷中に向かいます。
猫の町で猫を連れて歩く。猫飼いとしてやってみたかったことです。
谷中の名所・夕やけだんだんで、猫が入ったペットキャリーを背負った、自転車のふたり組に話しかけられ、しばし猫談議に花を咲かせます。
さすがは猫の町。
谷中商店街でも、すれ違う人々に「猫ちゃん! 可愛い~!」と声をかけられます。
途中でたこ焼き屋さんを見つけ、猫を抱っこしたまま外のベンチでいただきます。
この頃には、猫も観念したのか鳴かなくなっていました。
その後帰宅し、約1時間半の初めての猫散歩は終了です。
ハーネスを外し、猫を部屋に解き放すと、疲れたのか床に座り込みます。
猫よ、ありがとう、付き合ってくれて。
SNS上では猫を外に連れている光景もよく見かけます。
つまりは外好きの猫もいて、これから外好きになる可能性もゼロでないはず。
結局は慣れだよね、と猫散歩を定期的に行うことにしました。
Text / poco
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