曽根「ラ カーサヒデ」【Dr.Taroのちょっといいごはん】

阪急宝塚線、曽根駅。

建物の高さがそれほどなくて住宅街が広がる地域。坂の多い街でもある。

駅から西に向かって抜ける道沿いに「ラ カーサヒデ (la Casa hide)」はある。
店の玄関前に置かれた板にはメニューの一部が書かれている。
気になっていたけど、少しシックに見える店構えから、敷居が高いなと感じていた。

店構えだけでなく客層も。
いつも入っていく客のほとんどは女性で、華やかなというよりは落ち着いた服装の人たちが多かった。

「気軽に入れるお店じゃないのかな」。そんな想いを抱いていた。

ある金曜日。ランチの予約ができた。2,500円のコースランチ。
ランチにしては豪華な値段。ちょっとドキドキ。
お店に入るとテーブル席が6つくらい。ゆったりと座れる4人席をふたりで使う。
白くペンキで塗られた柱がいい雰囲気だった。

はじめに出てきたのはプリッツ2本分(グリコのやつ)の長さの、それこそプリッツみたいなカリっとしたものが3本出てきた。

おや。さすがにこのプリッツもどきを一品とカウントするならば、この後に続く料理……大丈夫かな? が本音だった。
予想を見事に裏切られるコース内容に楽しく時間を過ごせたのだが、面食らった初めの一品だった。

コクのあるスープは南瓜だったかしら。パンをもらってつけながら食べるのに最適で、量もちょうどいい。

ローストした菜の花と上品なオリーブオイルが印象的。
苦味を感じながら食べる春物は身体にいいらしい。
冬眠から身体を目覚めさせるには苦味が必要らしく、味で春の訪れを感じる粋な一皿だ。

サラダや肉料理、パスタには野菜がふんだんに使われている。
ソースも美味しくて複雑な味。コクを感じる。
焼き野菜は少し火が通っていて、オリーブオイルやオリジナルソースに和えてある。
単純な料理はひとつもなく、どれも凝っていて美味しい。

パスタが最高だと感じた。前述した野菜がたっぷりのイカ墨のパスタは、麺の量は少なめだけど、魚介はたっぷりで一皿で素晴らしい満足感を得た。

ドルチェをつけると3,000円ちょっと。我々はふたりで5,000円(ドルチェなしのコース)。
それでも大満足。きっとここのドルチェ、めちゃくちゃ美味しいだろうな、今度来たら頼もうかな。

ちょっといいご飯。大満足。北摂の皆さーん是非!

Text / Dr.Taro

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