バンビーノのぐら(猫)と暮らし始めて、自分が少しだけ良い方向に変わったような気がします。
猫を迎える前、猫と暮らしている友人から「猫が何かをしたとしても、猫に責任はない。悪いのは人間」という持論を聞きました。
私はそんなふうに思えるだろうかと、自分の器の小ささを恥入りながら考えた覚えがあります。
たとえば、猫がゴミ箱を漁ってゴミをひっくり返した場合、ゴミ箱を漁れないように・ゴミ箱がひっくり返されないように対策を怠っていた人間に非があるのだと。
(ゴミ箱問題は相当に危ないです。猫が食べてはいけない食材の切れ端、誤食すると大ごとにつながるモノなどが入っている可能性も)
それはそうだろうなと納得しながらも、もしそういったハプニングが起きたら、私は若干イラッときそうだなと想像していたのです(小さい人間だと自覚しています)。
2日前、走り回っていたぐらが水の入ったボウルをひっくり返し、敷いていたヨガマットや床を濡らしたことがありました。
ちょうど冒頭の友人とオンライン飲みをしているときで、私はぐらにぐら坊、びっくりしたねと声をかけ、彼女にはちょっと待っててと言って、洗面所へタオルを取りに走りました。
ヨガマットはその日洗ったばかりで、1時間ほど前に敷いたばかりでもありました。そこへ水がこぼれたわけで、マットの下の床も濡れたわけですが、苛立ちの感情は少しもなかったのでした。
ぐらには「水を置く位置が良くなかったね。倒れないところに置こう」と言って、ボウルを洗ってまたたっぷりと水を張って、キッチンカウンターの下に置き直しました。
そこだとボウルの一部がカウンターの扉に固定される形になり、ぐらが走り回ったり玩具が器の近くに来て手を伸ばしたりしても、器が倒れることはありません。
数日前、試しにオイルヒーターのそばに水のボウルを置くと、ほかの水飲み場はもちろんそこでも水をたくさん飲むようになったので、この場所が好きなのだろうかと考え、設置していました。
しかし、その日水がこぼれたことで、この場所はやめておこう、ぐらにとって気持ちよく動ける空間を作るにはボウルを置く位置の最適解は別にある、と考えることができたのです。
人も猫も住みやすい環境づくり——これが新たに生活のテーマのひとつになりました。
Text / Sonoko Ikeda
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