猫、それは「素早く動くことのできる赤子」

2021年6月27日、我が家に猫がやってきました。

短足マンチカンの女の子で、もうじき3歳になりますが、体重2.5キロに満たない子猫のような成猫です。

猫との暮らしには、楽しさと癒しがたくさんあります。

ふと顔を上げると、絶妙な距離感からじっとこちらを見ている。

お気に入りの場所があり、帰宅したらだいたいそこにいる。
けれど、猫独自ペースでお気に入りの場所は移り変わっていく。

猫は気まぐれで、自分から甘えてきたりしないと思いきや、かまってちゃんの甘えん坊で、膝に乗ってきたりやたら首を舐めようとしてくる。

細かいことも含めると書き切れないほどです。

しかし、猫との暮らしはプラスの面ばかりではありません。
意外にも、猫に対して怒りを覚えることもあります。

猫は「素早く動くことのできる赤子」。

猫との暮らしで感じたことです。
理由は、好奇心旺盛である上に、彼らを「叱る」という行為は全く意味をなさないから。

猫は気になるものを見つけると、それに対しとことん何らかのアクションを起こします。

それが人間からするといたずらである場合、「猫め、またやってるな」と猫の方を見ると、そのアクションをやめたり、その場から少し離れこちらの様子をうかがってきたりしてきます。

「自分のこの行動を飼い主はあまりよく思っていない」ということは察するようです。

「それをやったらだめ!」と叱りつけたり、反省するよう少し怖い思いをさせたりするとします。

しかし、それらにより猫が「反省」することはありません。むしろ「怖い態度を取ってくるこの人は恐ろしい人だ」と認識され、怯えられたり嫌われたりし、関係の修復は困難となってしまいます。

そんな「素早く動くことのできる赤子」である猫のいたずらで、特に頭を悩ませるものがあります。

「壁を引っかく」ことです。

ぼこぼこして柔らかい壁の素材は、どうやら猫の「引っかきたい」心をくすぐるようです。

怒ったらだめだと思いながら、嫌われない程度にソフトに叱るも、目を離すとすぐにガリガリ。

当時は賃貸。なんとかして防がなければ。
いずれ引っ越すことを考えるとゾッとします。

猫に対しては「教育」ができない。
となると、「できない」「やりたくない」と思わせる対策を打つしかない。

ネットや本で調べた結果、「壁を守る」ことにしました。

100円ショップで透明フィルムシートなるものを購入し、猫がよく引っかく壁に貼り付けます。

強過ぎない粘着力で、壁から剥がす際の心配をすることもなく、豪快に貼ることができました(とはいえ、引っ越しの際に壁から剥がすと、壁紙表面も一緒に剥がれてしまいました)。

果たして、その効果はテキメン。

100%ではありませんが、シートを貼った部分は猫が狙わなくなりました。

引っかこうとはするものの、いつもの引っかき心地と違う、好きな引っかき心地でないということで、くるりと背を向け立ち去るのです。

猫のやる気を失せさせることで、壁引っかき対策は成功です。

他には、「キッチンに登る」こと。

猫は高いところが大好き。
成長し、ひとっ飛びでキッチンに登るようになりました。

しかし、キッチンには危険がたくさんです。

洗剤を舐めたりしたら大変。胡椒のような刺激的な調味料はきっと猫の体には良くない。熱いガス台を触ってしまったら火傷をしてしまう。

猫が「キッチンに登ることができない」状況を作らなければ。

写真提供:poco

透明のペット素材のとげとげシート(踏んでも怪我はしない)を、とげとげを外側にし丸めた状態でキッチンのへりに置きました。防御壁です。

この自作の「万里の長城」が功を奏し、猫は早々に登ることを諦めました。

猫は遊びポイントを見つける天才です。

対策しても破られたり、新たないたずらを見出されたりし、頭を悩ませることも少なくありません。

一番大切なのは、猫のいたずらには寛容な心で接すること。

その上で、猫と人間の互いがストレスフリーに楽しく暮らす工夫を続けていきたいと思います。

Text / poco

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