年下に「タメ語で話して」と伝えるとき

チームの中でひとりだけ年齢が離れていて、同世代のほかの皆はタメ語混じりで会話をしているけれど、自分は丁寧語で接されるーーそんなとき、多少の居心地の悪さを感じます。

「年上だからという理由で気を使われているよ……」と、複雑な気持ちになります。私もタメ語で接してほしいのに。

丁寧語の良さはありますが、タメ語だからこそ伝えやすい本音や本心、気持ちもあると私は思います。

先日、そんなシーンがありました。「何歳?」と尋ねたわけではなく、皆の年齢を自然と知って「私、数字的には10歳上なのか」とハッとしました。

そりゃ、気を使われるわけです。ひとまわり近く上ですから。

そのチームはひとつの大きな目標に向かって、2日間共に行動する同志、仲間。仕事相手ではありません。

チームメンバーのひとりは、その中でもとりわけ密に向き合うバディです。まずはバディに「タメ語で来て(コミュニケーションして)」と頼むことに。

「えーっ、そんな」と戸惑っていましたが、「最初は慣れないよね。でも、◯◯(バディの呼び名)と同じ27歳だと思って接して(笑)」と冗談混じりに伝えました。

バディは笑って、その瞬間以降、タメ語で話をしてくれるようになりました。対話しやすくなった気がします。

そのチームでの活動を経て、どんな感情を抱いたのか、それにより自分の何に変化があったのか、参加してどう感じたのかについては、プログラムの内容を明らかにしない形で後日書きます(あくまで自分の感情軸でのエッセイに)。

この秋頃から、ワーケーションツアーを含め、いろいろな人が集まる場に積極的に飛び出していくようになると、昔は出会うのが年上の人ばかりだったのが、いつしか年下の人と出会う機会も増えているのに気づきます。

(30代半ば前後からは、取引先も年下の人が増えてきたなと思います。年齢に関係なく、できる人はできて、学びの機会があります)

話をタメ語に戻します。

「この目的を掲げたこの場では、年齢や会社、肩書などの数字や分かりやすい物事にとらわれず、ひとりの人間同士として関わりたい」

そんなときは素直な声を伝えやすい、タメ語でのやりとりをこれからも提案するつもりです。

年下の人からは言いづらいと思うので、年上の私から、圧を感じさせず、かろやかに。

年下の仲間も増やしていきたいし、年下の仲間に自分が持っているヒト・モノ・コトをGiveして、年上の人たちからいただいてきた分、恩送りする自分で在りたいです。

Text / Sonoko Ikeda