自分を苦しめないルーティン

最近「ルーティン」という文字を見ると、なんとなく当事者が生きづらくないかな、自分を苦しめていないだろうか、と思ってしまうことがあります。

たとえば誰々さんの「モーニングルーティン」。高い生産性と集中力のための秘訣とは?

あるいは寝る前の「ナイトルーティン」。明日輝く私でいるための過ごし方とは?

そんな企画が流行しています。

 

毎日のルーティンもありますが、週単位のルーティンという考え方もあるでしょう。

皆さんには「毎週〇曜日、決まって〇〇している」というルーティンはありますか。

予定を決めない自由さを楽しむ性格の私はざっくりと火曜日、水曜日、木曜日、そして土日は流動的で、定番の用事を聞かれると「うーん」と答えに詰まってしまいますが、月曜日と金曜日だけは、なんとなくお気に入りのルーティンがあります。

 

カレンダーでは週をまたぎますが、今回は気持ちの流れで金曜〜月曜の順にお話します。

 

金曜日は皆さんにもなんとなく「解放感がある」という共感を得られるのではと思います。

 

最近、私はネイルやヘアサロンの予約を金曜日に設定しています。

仲良しのネイルさんともネイルのアップデートの段階で「では、次回も金曜日で」と約束。

その帰り道も、自宅でゆっくりお酒を飲むのも楽しみになっています。

夜に関しては、コロナ禍以降は全くノープラン。

交際活動に充て、大体19時頃から街へ繰り出していた都会の金曜夜。私もそうだった頃が長く、それはそれでハッピーでした。

もう少し歳を重ねたら、またきらきらとした都会の夜景を見ながら、ほろ酔いでふわふわと帰宅するのも復活するかな。と今はその時間、既に夢の中。

ですが、金曜夕方の解放感は、街に繰り出さなくなった今も変わりません。

在宅でのミーティングが立て込んでいなければ、夕方早くからキッチンに入り浸り、早めに開けたワインと一緒に立って飲みながら夕食を煮始めたり、新しく買ってきた食材の味見をしたり。

席につかずに飲み始めてしまっても行儀が悪いなんて気にしない。そんなとき「金曜だしね」と心の中で呟いています。

 

そして、日曜夜から月曜朝。これは世間のムードと私はやや違います。

 

私は今の仕事の状態を「平日休日フルフラット」と公言しているように、昨年から月曜の朝から午前中は、直前1週間から1ヶ月〜3ヶ月くらいまでの自分の行動や変化を振り返る時間を設けています。

といっても、わざわざ「時間をとるぞ」と気張らずに、何かと何かの隙間時間に、ひとりで無言になれるとき、自然とその時間をとっています。

私の場合、ダイアリーとノートの一体型で1冊に全て集約しているジッパーつきのシステム手帳とペンを目の前に。最近の言葉では「書く瞑想」とか「マインドフルネス」と言えるのではないかと思います。

手帳と向き合う時間は、SNSのショートメッセージやビジネスチャットで誰かとコミュニケーションする時間を引くと、5〜10分から長くて4時間にも及びます。

 

カフェで勉強も仕事も、特に用事がないという方にも試してほしいと思うのが、この「自分と打ち合わせする時間」です(この言葉遣いは、愛読する服部みれいさんから)。

 

ずっと朝型が変わらない私は、今の地区に転居する前は朝7時に近所のドリンクバーへ行き、開店とともに集うご高齢の顔馴染みの会話に横耳を傾けながら……というのも気に入っていましたが、今はコーヒーをテイクアウトして歩いて行けるワークスペースやBOOK&CAFEなど。

その日そのとき、気分が動いた場所で、皆さんの住む場所や仕事の状況に合わせて、いつでもどこでも始められます。

 

月曜の朝に自分時間をとると、その週にしたいことや小さな予定にも意欲的になり、ワークもライフもセルフマネジメントしやすいとも気づきました。

 

仕事上の整理でも、心理的にも整える作用があり、週の駆け出しは好調です。

 

週単位のルーティンはもちろん、冒頭で例をあげたような日単位のルーティンも「やろう」と身構えたり、自分を極端に縛り上げたりする必要はない、と考えています。

寝起きから食生活、運動や美容。マイ・ルーティンづくりの流行で、人のSNSや本の内容に引っ張られそうにもなりますが、何か新しい習慣を始めたいと思っても、何からクリエイトしたらいいかわからないという方は、まずはじっくりたっぷり、自分に「時間」というご褒美を与えてみてはいかがでしょうか。

 

#いつも心にご褒美を

Text / Anna Koshizuka

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