変わる自分にゴーを出す

1月、はじまりました。
毎月毎月、新しい気分になっていますが、今月初めはしばらく誰もが新しい気分になっているはずです。

今日は、やや斜めな切り口で、母と私の間で同時に生じたとある食べ物への後ろ向きな反応と趣向の変化から「変わる自分」と向き合うことについて、皆さんと考えてみたいと思います。

昨年の秋、横浜元町の喫茶店で、いつものように母娘での朝カフェを楽しんでいました。

私たちはいつも朝10時までには集合し、だいたい昼時に差し掛かりますが、どこのお店も11時を過ぎるとランチメニューの開始で空気が変わります。

そんなタイミングで、調理場から漂ってきたパスタの香りに、母は「わぁ、ニンニクの匂いがしてきた」とイヤそうに言いました。

私は母が昔から匂いへの感度が極端に高いのを知っているので「相変わらず犬みたいに敏感な鼻ね」と言いました。

いつもならそこで終わりますが、その日は続けて真面目に語り出した母。理由はこうでした。

「あのね。最近ニンニクとかペペロンチーノの匂いとかだめなのよ。(外食で)ニンニクが入ってるものは選ばない。だからイタリアンとか、もうなかなか食べられん」

母が最近の好みをそこまではっきり言い切ったことにも驚きましたが、そういえば実は自分も一昨年頃からニンニクをたくさん食べた後、いつもは調子の良いお腹が膨らんで、胃の方から口まで匂いが込み上げて翌日まで続くような不快な症状に悩み始め、それまで好んでスープに入れて、生でも好んでいたニンニクを買わない、使わない料理に移行していたので、重なった奇妙な偶然に驚いたのです(お店での匂いに関しては私は歓迎)。

母とは10代の頃から好みの不一致も多かったですが、お互い「好きじゃない」という同じ方向でシンクロしたのは今回のニンニクくらいだったかもしれません。

ここで余談ですが、定期的にXで目から得られるピンポイントな健康食材情報で「お湯を注ぐだけで食べられる、スープジャーを使った『薬膳ミールキット』」を手がけるリョータさんが発信していた「毎日でも食べたい6つの食材」の中に「蜂蜜、生姜、落花生、ニンニク、ナツメ、ネギ」とあり、ニンニクもその一つでした。

そう。ニンニクは東洋医学や薬膳的にも「健康価値あるもの」とは以前から知り得ています。

世の中には美味しいニンニク料理(特に韓国料理、イタリアン……)がたくさんあって、味が嫌いなわけではないし、食べたらアレルギー反応を起こすまでじゃない理由で「体に合わない」と永遠に遠ざけてしまっても、少し残念な話。

健康価値も美味しさもしっかり知り得ている上で、対象とどう付き合うか。変わる自分にその都度合わせて楽しみながら、長い人生の中で模索していけばいい。
そう思えたのが、30年ほど歳の離れた母との会話です。

お互い「変化の途上」の報告だったのが少し面白く感じたので、わざわざここに書きました。

また好きになるのは明日かもしれないし、恋と一緒で、今日、好きになるかもわかりません。
そんな気ままな感じで付き合えばいいかなと気ままに構えている私ですが、せっかくこの年始というタイミングなら、いっそ生まれ変わるような気持ちで「積極的に自分を変える」というアクションも一手かもしれません。

昨年、ここSAVOR LIFEで読んで感化された、木村公洋さんによるこんな言葉もありました。

「現状を打破したい!」「もっとステップアップしたい!」とモヤモヤした日々を送っている方は、まず食事を変えてみることをオススメいたします。

この散文は自分の「とある地点」としていつ読み返してもいいように、いつも原稿を仕上げる自分のバイオリズムに合わせて、年始のご挨拶はこのように代えさせていただきます。

今日も5時ようございます。それではまた明日。

#いつも心にご褒美を

Text / Anna Koshizuka

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