老いも若きも私にも、大切なケアってなんだろう?

「リラックス」や「リフレッシュ」の方法は浸透していますが、それらと少し異なる「リチャージ」という英語を教えてもらった長年の愛読書があります。

『最高の自分にリチャージする12章 心も体も生まれ変わる「セルフケア」プログラム』(原題:A Year of Self-Care to Focus on You )

著者のジュリー・モンタギュー氏を簡単に紹介すると、通称「The Flexi Foodie」の名前でロンドンでは名高く、ヨガインストラクターの経験やウェルネスコミュニティ運営の経験も持っています。

この本の翻訳を担当した石田文子さんのやさしい日本語のおかげもあり、例えばコーヒーを飲むとき、シャワーを浴びるときなど、日常の隙間時間にもできる「マインドフルネス」の発揮の仕方から「デジタルデトックス」まで、現代を生きる私たちのほとんどが抱えがちな問題への対処法がわかりやすく、初めて読んだときは目から鱗でした。

例えば、私のように、インプット・アウトプットをすることそのものが仕事という人なら、絶え間ない情報操作の合間にデジタルツールを手放す「空白」の時間を設けて、ヘルシーなランチをとるとか、リフレッシュにお酒とご馳走を食べてみるとか、近くの公園に散歩に行ってみるとか。

いわゆる「気分転換」の具体的な手段はさまざま思いつきますが「リチャージ」に対応する日本語は「気分転換」とも少し違う気がしています。

それがどういうことなのか。日本語への言い換えは私なりに今も模索していますが、この本の帯には「毎日、自分のことを少し優先する生き方」と書いてあり、つまりはそういうことなのだろうと納得しています。

健康情報や商品において「特にこんな方におすすめ」という呼びかけは巷に溢れていますが、ウェルネスという社会課題により深くコミットしていくと、人格や年齢を問わず心と体にいいこととは、一体何なのかと、考えています。

例えば、マッサージを受けて人に触れてもらったときの、体が喜ぶ感覚。

「病んでいるか否かといった健康の度合いも関係なく、喜ばしい感覚なのでは」ということを実感し、ジュリーが発信する「リチャージのヒント」なのではと思いました。

今年は、日本人にまだまだ浸透の薄いこのセルフケアのヒントが社会に広がってほしい。

2023年は、これまで取材で出会ってきた方や、日頃オンラインや対面で合うさまざまな人たちの働き方や暮らしを通し、家での生活がベースの人も、固定オフィスで過ごす時間がベースの人も、はたまた居酒屋を「ホッピング」するように仕事場を移動する生活がベースの人もいて、選べる時代の選択肢を知る機会の多い一年でした。

もちろん、上記のような選択が叶わない多くの方もいることを知りながらですが、これからの時代、オンラインでつながっている方が今どこにいるかという現在地を問わず、さまざまな方に届ける上で「どんなときも」というより「どんな場所でも」という言葉で発信していきたいと思っています。

毎年3月にかけて忙しくなるという方も多いので、今月は家、外出先、移動中、どんな場所にいても、少し立ち止まって「リチャージ」することを心がけてみませんか。

私も今まさに手探り中ですが、皆さんと一緒に「リチャージ」のコツを探し、自分にも人にも役立てていきたい。そこで、今月は私からこんな提案ができればと思っています。

どんな場所でも「リチャージ」の意識を。

本

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Text / Anna Koshizuka

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