人づきあいが苦手だからといってフリーランスを選ぶのはむしろ逆のことである

SNSでいろいろな身の振り方やハウツーを見かけますが、腑に落ちることもあればピンとこないこともあるでしょう。身を置いている環境や自身の性格によって響き方も様々。「自由」の先に本当に良い未来が待っているか、見定める必要があります。

誰かの言葉が響いたときは自分を疑った方が良い

人間、自然と楽な方に流れがちです。それは悪いことではなく本来の防衛本能だと思います。なんとなく象徴的な存在の周りに人が集まっていて、その界隈が輝いて見える。そこに人生の突破口があると感じてしまうのもわかります。

ただ、無意識に近づいていきそうな自分に気付いたとき、それによってどう変わるのかを想像してみてほしいのです。

「たいして変わらないな」ということになればスルー、どうしてもきっかけが欲しいとなれば飛び込んでみるのも良いかもしれません。

特に、孤独になりがちなフリーランスという立場だと、バイオリズムが下がっているときに、何かにすがりたくなることもありますよね。

何でも「距離感」が重要。助け合える関係になるまでは時間も必要

人間は楽な方に流れると言いましたが、いつしか依存的な関係に陥るとなかなか抜け出せません。自分のマインドがどっぷりと浸かってしまい、それがベストだと感じてフラットな視点を持ちにくくなるからです。

その象徴的な存在を崇拝してしまう。しかしその中にいては「そんなことはない!」と、共依存状態となり自分はどこに行ってしまったのですか? となります。

刺激を与え合う関係は良いですが、良い関係を築くにはそれ相応の期間が必要だと意識しておきたいところです。

コミュニケーション能力と人柄は別のもの

コミュニケーションが苦手で「上手くなりたい!」と言う人を見かけますが、人間の振る舞いはそうそう変わらないと思います。

営業や雑談が上手い人は、生まれながらにして上手です。

自分の例を挙げると、20代前半の頃、地方都市から上京してきて雑誌の編集者になり、しばらく経った頃、その会社の社長に「取材先で上手くスルスルと話すことができない」と悩みを打ち明けたことがあります。

すると社長は「調子良く話せることが良いことじゃない。丁寧に接すれば大丈夫。君のそこを買っている」とアドバイスをくれました。以来、20数年、自身がフリーランスになってからもずっと心の真ん中に置いていることです。

周りに人がいるときもいないときも、長いこと生きているといろいろあります。

リスペクトを持って接してくれるのと、何か下心を持ってすり寄ってくるのとは見分けがつきますよね?

逆に自分がそうした態度になっていないか、セルフチェックをしながら人と繋がることが大事だと思うのです。

Text / Taichi Akasaka

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