収納が少なくても、心地よいリビングを保つ3つのアイデア

羨ましいと思うことの一つが「子どもがいるのに常に部屋が整っている家庭」。
そのような人に話を聞くと、夫婦ともに整理整頓好きだとか、十分な収納スペースが設計された家に住んでいるとか、もう根本的に我が家とは住む世界が違いすぎて参考になりません。

特に頭を悩ませるのが、収納スペースが少ないリビングです。
欲しいものがあればすぐに買う夫と、成長とともに必要なものが増えていく子どもたち。
ひどいときには「泥棒に荒らされた?」「地震があった?」と錯覚するほどの状態になります。
それでも以前に比べると、家族にものを減らす努力をしてもらい、スッキリ見えるような部屋づくりができるようになってきました。

視界に入る床面積を広くする

我が家のリビングには、ソファがありません。ソファに合わせたテーブルやクッションもなし。
テレビを置く台や、細々としたもの(薬や電池、充電器など)を入れる棚は壁に沿って配置し、リビングの中心は厚手のマット(ヨガマットを大きくしたようなもの)が敷かれているだけの状態です。
ソファやテーブルなどの家具がない最大のメリットは、掃除が楽だということ。掃除機も拭き掃除も、すぐに終わります。
部屋の中心に何も置かないことで視界に入る床面積が広くなり、開放的な空間になりました。

苦手な整理整頓は「〇〇への備え」で必要性を感じさせる

災害の多い日本に住む以上、整理整頓は防災の一つでもあります。
しかし、我が家で効果のあった備えは、災害よりも「ムカデ」でした。
春から梅雨明け頃まで、我が家にはムカデが出没します。
寝ているときに激痛が走り、跳び起きたら黒光りする細長い生き物がうねうねと逃げていく……。
思い出すだけでも恐怖を感じるほど、家族みな恐れている生き物です。
「床にものを置いたままだと、隙間にムカデが入って見失ってしまう」
「逃げられてどこにいるかわからない状態で寝ることになる」
「みんなの大事なものに卵を産むかも……」
恐怖心を煽ったことで、家族に当事者意識を持ってもらうことができました。

散らかっている原因は、収納スペースの問題?

リビングには、大きめのカゴを家族の人数分置いています。
床に散らかったものは寝る前にカゴに入れ、入らないものは各自の部屋に持っていく。
そしてカゴを部屋の隅に置くだけで、部屋はまあまあスッキリ見えます。
収納スペースが少ないから、散らかっているのか。
ものが多いから、収納スペースに入りきらないのか。
どちらの状態かをよく観察し、収納できる分しか持たないようにすることが、心地よい部屋への第一歩かなと考えています。

とはいえ、片付けるきっかけは来客のタイミングが多いかもしれませんね。
定期的に誰かに来てもらうか。
はたまた我が家のように「ムカデ様」に訪問してもらうか。
なぜか毎年私だけが噛まれるため、悩ましいところです。

Text / Asako Yano

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