2024年3月6日〜3月10日の日記

※この日記は電子書籍orZINE化を目的に、2024年1月1日より綴り始めたものです。5日ごとに掲載します。

3月10日(日)

毎週日曜に開催される街路市「土佐の日曜市」へ。高知市内のメインストリート、追手筋の片道2車線が会場で、300を超える店が出店し、距離にすると1kmにも及ぶという。その場で食べ歩きできる飲食物はもちろん、野菜や青果、魚、乾物などの食材、骨董やハンドメイド品まで多様な店が並んで面白い。Mと朝兼昼のごはんを求めて歩いてみる。

Mが「高知名物で美味しいから食べてほしい」という、野菜を使った「田舎寿司」をまずは食べてみた。丁寧な仕込みがされた野菜と酢飯がよく合い、これは海外でもウケるだろうなと思う。田舎寿司は多くの店で売られていて、店によって作り方や具材も異なるらしい。田舎寿司をひたすら食べ比べる楽しみ方もできそう。

もうひとつ、Mが「これも食べてほしい」と言う大平商店の「いも天」も、二度も三度も食べたくなる味だった。ペースト状のさつまいもに厚い衣をつけて揚げたシンプルなモノだけれど、衣の味とサクサク感がやみつきになるのだろうと思う。だからか、多くの人がいも天を食べていたし、列がずっと途絶えなかった。

端まで歩いてから、Mが行きたいと言っていた、創業50年を超える老舗喫茶店「メフィストフェレス」へ。外からは想像がつかないくらい中は広々としているものの、11時前の時点で満席。待ちも出ている。雰囲気も良く、コーヒーもスイーツも美味しく、とてもくつろげる空間だった。

日曜市へ戻る。私たちのように端から端まで歩いて(往路)、スタート地点に戻る(復路)ルートで移動する人が多いらしい。進行方向を変えるとまた目につくモノが変わってくるから、そこで「これは買っておこう」と思うモノも出てくる。私は好きな小袋を3つ選べる漬物500円、袋いっぱいに入った金柑200円、不揃いな形のモノがたくさん入った芋けんぴ350円を購入。

駐車場へ向かいながらも寄り道し、おしゃれエリアといわれるはりまや町2丁目周辺へ。たまたま目に入ったショップ「WEEKEND SUN」がとても楽しかった。インドから直輸入した小物や服が並ぶ店。直感的に欲しいモノはたくさんあるけれど、グッと堪える。空港まで送り届けてくれたMと別れてからは、空港で追加のお土産を買い、持っている楽天カードのおかげで無料で使えるラウンジへ。

帰りの飛行機は揺れなかった。伊丹からわずか40分の飛行時間で到着する高知。とても楽しかったし美味しかった。また行きたい。今度は仁淀川や四万十エリア(高知の西側)にも行ってみたい。

3月9日(土)

朝食は安芸のベーカリー「フジムラ」「岡松製パン」をハシゴ。パンは幸せな気持ちになる食べ物だ。チェックアウト後、Mたちが住む奈半利へ向かい、家や農場を見せてもらう。家族の一員である秋田犬とも会う。30kgくらいと聞いていたけれど想像以上にがっちりした体躯で大きい。ぐらの10倍以上の体重である。人懐っこさがハンパない。

そこから、柚子での町おこしに成功している馬路村(うまじむら)へ向かう。町おこしプロジェクトにうっすらと関わることがあるので、馬路村を知って、見て、歩くことは良質なインプット。まずは馬路村を代表するドリンク「ごっくん馬路村」を筆頭に、多様なゆず商品が製造される「ゆずの森」加工場を見学。人口1,000人の村で、約200世帯がゆず産業に従事しているというから、仮に1世帯で2〜3人がそこに関わっているとなると、村民の半数近くにも及ぶ。

見学後は「コミュニティセンターうまじ 馬路温泉」で温泉に浸かり、館内のレストランで食事。川魚であるアメゴ(アマゴ)の定食をいただいた。さっぱりしていてとても美味しい。そこから高知市へ移動。道中に安芸市の「焼きナスのアイス」に立ち寄り、文字通り焼きナスのアイスを興味本位で食べる。こんがりした焼きナスの香りと炭感が美味しい。

この日は高知市内のAirbnbに宿泊。週末にイベントが多いせいか、高級ホテル以外埋まっていたため、Airbnbを選択したのだった。とても感じのいい家族が自宅の一角を貸し出す形の宿。こんなふうに地方で一軒家に住んで、遊休スペースをうまく活用できたら素晴らしいなと思う。夜は「ひろめ市場」へ。「飲み好きな大人が集まるフードコート」と言っても差し支えない場所。

ここのシステムは面白い。いろいろな店舗がある中で、ここに座ろうと決めたら、そこの店舗でお酒を注文する必要はあるけれど、料理はどこの店舗で注文してもいい。店舗Aでお酒を注文し、店舗BやCで買ってきたつまみと共に飲み食いできるということ。私たちもいろいろな店でつまみを購入し「みづき」という店で飲んでいた。高知名物の柑橘・小夏を使ったサワーが美味しい。

宿まで歩きながら歓楽街を散策した後、帰路へ。たまたま目についたカフェバーかと思しき店に、なんとなく直感で入ってみる。ギターショップ&カフェ「slowhand mojo」だった。ゆったりした雰囲気が流れている。常連さんや店主と話すうちに、店主は田中基希さんというアーティスト活動もしている人だと判明。その後も音楽仲間が来店し、高知市内のあれこれを中心に話す。自分の感覚を大事にしていて良かった。面白い出会いだったと思う。

3月8日(金)

友人Mに会いに高知へ。2018年頃、プロレス関係で知り合った女友達が、一時的にこちらに住んでいる。4月か5月頃、関東に戻るのだそうだ。1ヶ月前くらいにメッセージのやりとりを久々にして、高知に行く機会はそうそうないし、彼女がいるうちに行こうと決めて、勢いで飛行機と宿をとったのだった。

伊丹空港から高知龍馬空港まで、気流の関係で揺れに揺れた。酔い止めを飲んでも気持ち悪くなり、わずか40分の飛行時間が永遠のように感じたほど。到着後は「すみません……」と心の中で侘びながら30分ほど、靴を脱いで空港内のベンチに横たわり、気分の悪さを回復させようと試みた。ただ、空港はとても空いていて、私がふたり分の座席を占拠していても支障はなさそうだった。

ほぼ回復してから空港バスで高知市街へ向かう。Mが車でピックアップしてくれるのが14〜15時頃。20分ほど乗れば目的地の葛島エリアに到着し、地元の繁盛店「市場レストラン 西村商店」でランチ、すぐそばの「エニタイムフィットネス高知葛島店」でトレーニング。高知県内のエニタイムは高知市内に2店舗のみ。高知県内の人口の約半数が高知市に住んでいるそうで、高知市にしかないというのもやむなしなのか。

Mと合流し「Natural Farm Cafe 窯蔵」で一服。4年ぶりくらいに会うので近況を少しずつシェア。宿をとった安芸市に向かう道中、南国市にあるクラフトビール製造所「Wayfarer Brewing Company」へ立ち寄る。1年ほど前にオープンし、Mは夫妻で高知市に遊びに行く際よく立ち寄るという。とてもいい雰囲気の場所で、店内飲食も可能。

安芸市では古民家宿「東風ノ家」に宿泊。オーナーや併設されたカフェバー、キッチンの雰囲気がとてもいい。夜は近所の居酒屋「白牡丹」と「すっぽんラーメン」をハシゴ。白牡丹で食べた高知名物の「茄子のたたき」は感動するほど美味しい。カラッと揚げた茄子にスライスした玉ねぎや鰹節、にんにくなどを散らして、ポン酢をかけて食べるメニュー。自宅でなんとか再現できないだろうか。すっぽんラーメンはあっさりしていて美味。良い1日目の夜。

3月7日(木)

朝、体験申し込みしていたベリーダンスの教室へ。岡町のダンススタジオ「スタジオウエスト」で火・木に展開している「スタジオアモール」主宰のレッスン。目にした複雑な動きを自らの身体で再現するのを不得手としているし、初めてのことで当然難しいのだけれど、今日の気づきはベリーダンスは膝の柔らかさが必要だということ。腰回りや上半身を揺さぶる動きも膝と連動している。

私は鈍い方なので、これはただ見ているだけでは分からなかったことだと思う。先生がそれぞれの動作についてする説明の仕方が面白かった。1時間のレッスン後、スタジオウエストのオーナーが呼んでいるという「血液循環療法こんどう」の施術師さんに10分ほどお試しで肩のケアをしてもらう。「さする」くらいの弱さではないけれど、力や圧はほぼ感じない。でも、肩の強張りが和らいでポカポカと温かくなってくる。

「押す」のではなく「乗せる」のだという。押す=意識的に力を入れる印象だけれど、乗せる=無理のない動きが伴うイメージがある。その施術について話している間、施術師さんは自分の一の腕にずっと触れている。「今、ご自身の腕をケアしていますね?」と聞くと「そうですね。常にどこかしらケアしています」とのこと。

だから年齢の割に身体に弾力や柔らかさがあるらしい。「差し支えなければ、太ももを触って見てください」と言われ、ボトムス越しに触れると、やわい前ももであった。私のパンパンに張った前ももとは質がまったく異なる。私も交差点での待ち時間や何もしていない時間に、身体に触れて筋肉を動かそうと決めた。

隣駅のエニタイム豊中駅前店へ行った後、チェックしていた近くの「Garage」でランチ。精肉店が運営するハンバーガーとステーキのお店。肉肉しいハンバーグもさっくりしたバンズも奥行きのある味わいのソースもどれも美味しかった。帰宅後は仕事に戻る。新たな取り組みについての打ち合わせが楽しかった。時間は有限だし、いつまで生きてるのか分からないから、やりたいことはできるだけ早く着手したい。

3月6日(水)

エニタイム豊中駅前店からのランチは岡町「Armonico」へ。予約していた火・水限定の「あっこりえんて」へ。「accogliente」というイタリア語で「憩いの場」の意味らしい。あっこりえんては「お母さんの家庭料理食堂」みたいな名称でも運営されている。

切り盛りする女性オーナーの料理や作る雰囲気のファンが多いのか、正午にもなるとほぼ満席に。一つひとつのおばんざいは時間をかけて作り込まれているようで、とても美味しかった。

Text / Sonoko Ikeda

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